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府中に息づくお店探訪「カフェ オレンジブーツ」in ル・シーニュ

地域の魅力と心地よさを届ける カフェ オレンジブーツ

 駅の改札からすぐのビル、ル・シーニュを5階まで上がると見えてくる「カフェオレンジブーツ」。上階ならではの景色と間隔が広く取られたテーブルがとても開放的で、平日にも関わらず、ひとりで作業する人から仲間と談笑する人まで多くの人で賑わっています。今回はそんなカフェの店内で、店長の小林さんにお話を伺いました。

ミツバチのように、地域の魅力を届けるお店

 カフェオレンジブーツという名前の由来にもなっている、「オレンジブーツ」というのは、ミツバチの花粉の付いた足を表しています。ミツバチが花粉を足に付けて他の花に運び、実を付ける手助けをしているように、府中市や姉妹都市の佐久穂町、友好都市のウィーン市ヘルナレス区など、様々な地域のいいところや食材を集めてお客さまに提供するという意味を込めて付けられています。

 ただ地域の食材を使用するというだけでなく、野菜やハム、日本酒など幅の広い食材を色々なメニューで使用することで、食べていただいた方に地域のことをより知ってもらえるように工夫しています。

野菜を通してお客さんと地域をつなげる

 オレンジブーツでは、野菜を多く盛り込んだメニューを意識しており、一部の野菜は提携している北八ヶ岳の農家さんから送っていただいたものを使っています。メニューに基づいて野菜をお願いしたり、お客さんの反応からリクエストすることもありますが、基本的には農家さんからおまかせで野菜を送っていただいています。

 サラダの中にある紫色の水菜など、カラフルな見栄えの野菜もあったり、以前は「ほおずきの中の実が食べれるよ」と送っていただいたことも!納品書に、野菜のおすすめポイントやコメントが毎回書いてあったりして、農家の方とのつながりを感じて温かい気持ちになります。そのようなほっこりするような瞬間があるのはいいな、と感じていますし、メニューを通してお客様にも楽しんでいただければ嬉しく思います。

 また、地域の野菜や食材を使うというのは大前提ですが、カフェのすぐ横にあるバルトホール(市民ホール)や上の会議室を利用される方が会議やホールの開場の合間などにもお越しいただき、楽しんでいただけるよう、すぐ提供できるようなメニューを意識しています。どうしても時間がかかるようなメニューもありますが、できるだけスムーズに提供できるようにしています。

過ごし方を自由に選べる場所

 感染症が流行したときから、自宅以外で過ごせる場というのがより求められている気がします。ずっと家にこもっているのではなく、誰かと一緒でなくても外で過ごせるような。

 コロナ禍中はゆっくりひとりで利用されるかたやリモートワークをされる方が多かったと思いますが、今は感染症が流行する以前のように、お話や交流をされる方が多く、日常が戻ってきたように感じます。

 カフェだとちゃんとお茶をしなければいけない、何か頼まなきゃいけないという緊張感がありますが、ここはドリンクの金額もあまり高くなく、気軽に来ることが出来ます。店内が広々としていて隣の席との距離があるので、周りの目が気にならず、お茶だけでなく本を読んだり、仕事をしたりと、お客さんの好きなように過ごしていただけると思っています。オレンジブーツはこのように「自由に過ごせる場所」です。

「やってみたい」の一歩目を応援する

 秋にあったまちづくり府中さんが主催の「むさし府中まちゼミ」では、オレンジブーツを会場に「己書」のワークショップを開催しました。他にも日常的に様々なワークショップやイベントが開催されています。

 上階の会議室を借りるには会場費がかかりますが、始めたばかりで集客に不安がある方もいらっしゃるかと思います。オレンジブーツでは、そんな方にも気軽にカフェでのワークショップを開催していただき、「やってみたいな」という人たちの挑戦できる場にしていきたいです。

情熱を感じるまち、府中

 私は神奈川県出身で、店に配属されて初めて府中に来たのですが、地元愛が強い人が多い気がします。市の施設にいるからそう感じるのかと思っていたのですが、そういう訳ではなく、お話を聞いていたり、府中のまちなかにある昔ながらのお店に入ると、地元の人同士でまちを盛り上げていこうという情熱を感じます。地元愛にも色々あると思いますが、神奈川は「落ち着くホーム」という感じで、府中は「お祭りのような熱さ」というものを感じます。

 また、府中の人は府中にずっと住んでいる方が多い気がします。そういった話からも、ずっと住みたいと思えるようなまちなんだろうなあと思います。

これからのカフェオレンジブーツ

 これからも皆さんに喜んでもらうことはもちろん、食を通して府中や姉妹都市のことを知ってもらったり、人と人とを繋げるような場にしていきたいです。以前、姉妹都市である佐久穂町の特別メニューを出して佐久穂の魅力が伝わったときに、私自身すごくやりがいを感じました。そのような機会を今後も作っていければいいなと考えています。

 また、店長としてはスタッフが働きやすい環境づくりをしていきたいと思っています。プライベートが充実していることも大事だと思うので、ここで働くこととプライベートのバランスがしっかり取れるようにしたいです。

 2017年にプラッツと同時にオープンしてから、府中に住む人々に多く利用され愛されてきた、カフェオレンジブーツ。これからも地域とともに歩み、新しい出会いを生むカフェになっていくのだと感じました。住んでいる府中の魅力から、まだ行ったことのない地域の魅力まで「新たな出会い」を求めてカフェオレンジブーツへ行ってみてはいかがでしょうか。小林さん、取材にご協力いただきありがとうございました。

(文:梅本杏月 東京農工大学学生)

  (写真:村元義樹 東京農工大学学生)

公開日:2023.12.21 / 最終更新日:2024.4.5

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