2017年 12月

府中に息づくお店探訪 「Cafe Bar load(カフェバル・ロード)」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。

また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。

府中には地域に息づくお店たちが作り出す魅力やエネルギーで溢れている。

彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを作る上で欠かすことのできない存在だ。

そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


味わい深いコーヒー「Cafe Bar load(カフェバル・ロード)」(府中駅東口商店会)

今回紹介するのは京王線府中駅から徒歩3分、コーヒーの深い香りと落ち着いた雰囲気が漂う「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。

注文を受けてからコーヒー豆を挽いてサイホンで淹れる本格的なコーヒーを味わうことができるこのお店は、長年「カフェ・ド・クロワッサン」として市民に親しまれてきたが、営業時間を延長し夜も食事やお酒を提供することに伴い2017年12月3日に店名を「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」に改めオープンした。

店主の榎本さんにお店を始めたきっかけやこだわり、まちとのつながりについてお話を伺った。

(本記事は東京農工大学地域パートナーシップ論の受講学生さんのご協力のもと作成しています。)

 

大好きだった喫茶店。いつかは自分のお店をと夢見ていた。

元々は別の仕事をしていたという榎本さん。いつかは喫茶店を経営したいと思いが叶い、店を引き継いだという。

―(榎本)

昔ながらの喫茶店が若い頃から好きで、老後に自分の喫茶店を経営したいと思っていました。若い頃はアルバイトなどで経験を積んだりして、別の仕事に就いた後も色々と勉強はしてきたんです。

カフェ・ド・クロワッサンの創業は1989年(平成元年)ですが、私は2年前に店主になりました。このお仕事とお店は私にとって大切な場所になっています。

 

おすすめはこだわりのコーヒーとミックスサンド

榎本さんにおすすめのメニューを伺った。

―(榎本)

イートメニューだとミックスサンドは人気があって、テイクアウトでご注文いただくこともあります。他にもランチタイムには生姜焼きや日替わりランチがよくでます。

それとコーヒーは昔ながらの淹れ方にこだわっています。ご注文をいただいてから豆を挽いて淹れていますので、味も香りも楽しんでいただけると思います。

昔ながらの淹れ方なので濃く感じる方もいらっしゃるかと思いますが、ケーキなどの甘いものやミルクととても相性がいいので、ぜひご一緒にお召し上がりください。

 

やり方が少し違うだけで味も香りも変わると言われる繊細なコーヒー。榎本さんは取材に答えながらも淹れる工程を素早く正確にこなしていた。

 

夜も食事とお酒が楽しめる場所に

12月より営業時間を延ばし夜の食事やお酒が楽しめるようになった「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。新たなサービスへの意気込みについて伺った。

―(榎本)

女性が仕事帰りに一人で立ち寄って、御食事やお酒を楽しめる場所を提供したいと考えて、夜の営業時間を延長しました。お客様にゆっくり過ごしていただけるだけでなく、一人暮らしの年配の方が夕食をテイクアウトして行ったりと、夜営業することの意義を感じています。

 

地域の憩いの場、活動の場、若者がチャレンジできる場として

取材中も多くのお客さんが訪れ、地域の憩いの場となっている「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。榎本さんは商店会で開催されるお祭りへの参加だけでなく、カフェを教室として貸し出すなど地域の方々へ活動の場としてお店を提供している。そんな榎本さんに地域とのつながりついて伺った。

―(榎本)

再開発の影響もあって、まちの様子は変わったなあと感じることもあります。それに伴って人とのつながりという面でも昔と比べ寂しさを感じることもあります。

それでも常連のお客様をはじめ、多くのお客様がこのお店をご利用いただいて、少しでも皆さんの居場所、憩いの場となっていればいいなと思っています。

ここは自分で何か教室やレッスンなどを開きたい方に貸し切りで場所を提供しています。活動の場としてもご利用いただければと思っています。

特に、若い人たちが新しいことにチャレンジしたり、学んだりする場として活用できるように、音楽ライブや料理教室、勉強会といったことをしたいという若い方にはここを無料でお貸ししています。

若い人が一歩前に進むのを後押ししたいんです。

 

お店はお客様の居場所であり、自分の居場所

榎本さんにお店をやっていて良かったことを聞くと、自信に満ち溢れた表情でこう答えてくれた。

―(榎本)

自分でお店をやっているとまず定年がないことです(笑)。企業のように組織に属していないので責任は増しますが、仕事と家庭のバランスや距離感を取りやすいと思います。

なによりお客様との会話が楽しいですし、お客様に居場所を提供しつつ実はこのお店は自分自身の居場所でもあります。

将来的にはコーヒーの淹れ方教室なんかもやろうかな、なんて思っています。

 

榎本さんが親しくなったお客様同士をご紹介することで、新たな出会いの場にもなっている「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。これからも人と人をつなぎ、みんなの居場所となっていくだろう。

 

 ※取材は2017年7月・12月に行われました。

【取材:東京農工大学2年 五十嵐爽子、猪越翔大、小野満陽光、山口裕理(五十音順)】


【プロフィール】

榎本ひとみ/昔ながらの喫茶店が大好き。こだわりのコーヒーは注文を受けてから豆を挽く本格派。お店はお客様にとっても自分にとっても大切な場所。

 

【店舗情報】

「Cafe Bar load(カフェバル・ロード)」/府中駅東口商店会

所在地:府中市府中町2-7-1 イーストビル1F

電話:042-360-9603

不定休

営業時間:8:30~24:00

 


第10回WaiWaiフェスティバル

第10回WaiWaiフェスティバルが12/9(土)、10(日)の2日間、府中グリーンプラザやフォーリス駅前広場にて行われます。

WaiWaiフェスティバルは障害のあるかたを取り巻く問題について考え、理解と関心を深めていただくためのイベントとして今回で10回目を迎えます。コンサート、映画上映、作品展と内容も盛りだくさんです。ぜひお越しください。

詳細は下記HPをご確認ください。

第10回WaiWaiフェスティバル:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/bunka/ibento/kenko/waiwai9.html