2023年 7月

府中に息づくお店探訪「RAFNIST」in ぷらりと京王府中

「ROUGHに着てLAUGHに生きる」

けやきっこ3人組の思いが詰まった、府中発アパレルブランド「RAFNIST」:まち一番の笑顔溢れるお店を目指して

「いらっしゃいませ!今日外めっちゃ暑いっすね!」

京王線府中駅北口徒歩約20秒、「ぷらりと京王府中」の一角から聞こえてきた明るい声。落ち着いた深緑の壁紙を背景に、笑顔で迎えてくれたのは「RAFNIST」の店長、佐藤さんです。府中で服を買える場所ってどこだろう、そのような思いをきっかけに始まったこの活動は、お客さんや地域の方々の支えをもとに日々歩みを進めています。

「RAFNIST」は店長の佐藤拓也さん、デザイン担当の橋口世紀さん、バックオフィス担当宮﨑太貴さんの3人が経営するアパレルブランドです。今回は佐藤さんと宮﨑さんにお話を伺うことができました。

「実は、誰も服飾系の勉強をしたことがないんです」_幼馴染3人でアパレルブランドを開設するということ

宮﨑:2018年の1月に、僕と橋口が居酒屋に呼ばれて、佐藤から3人で何かビジネスを始めよう、という話をされたことが「RAFNIST」の始まりです。僕はファッションに疎いサラリーマンだったのですが、代わり映えしない日々に正直飽きていました。会社員時代から経営に興味があり自分で少し勉強もしていたこともあり、佐藤の計画に強く興味を惹かれて飛びつきました。

佐藤:僕は当時ブランドのショップ店員として働いていました。そのあと営業マンも経験しましたが、なんとなくつまらなさ、物足りなさを感じていて、何か生きがいを探したいと思い2人に連絡をしました。その時から僕の中には、ファッションが好きで、接客を通してお客さんとの交流を作りたいという思いが強くあり、結果的にアパレルブランドを始めてみようという方向で話が固まり今に至ります。

宮﨑:橋口に関しては、昔から服に強いこだわりがありデザインの勉強はしたことがないにも関わらず現在はうちのデザイナーとして活躍してくれています。お互いへの信頼感あってこその今があり、僕ら3人の絶妙なバランスで経営が成り立っていると感じます。

「RAFNIST」の名前の由来

宮﨑:2022年の3月頃だったかな、この言葉は佐藤が突然ひらめいたものです。当時はブランドのコンセプトを模索していた時期でもありました。どんなお店にしたいか改めて考えたとき、「帰るときに笑顔になっているお店」を作ることが僕たち共通の目標だったんです。ラクに着ることができる「ROUGH」と笑顔が生まれる「LAUGH」の二つの意味を持つ「RAFNIST」は僕たちのブランドにぴったりの言葉でした。

佐藤:そうそう。実は元は「F.F.P.」(母校の中学校の隣にある「府中の森公園」の頭文字をとったもの)というブランド名で、常設店開設を機に「RAFNIST」に名前を変えました。というのも、「F.F.P.」は医療用語に同じ単語があり検索負けしちゃうんです。でも「RAFNIST」は完全な造語なので検索負けすることはない。ふと思いついた言葉でしたが、今となっては僕らの思いを代弁するブランド名として使用することになりました。

キーワードは「3」_三角形が並ぶロゴマークに込めた思いとは

佐藤:ロゴは橋口がデザインをしました。この3つの三角形は創業メンバーの僕たちのことを表しています。ところで、真ん中だけ点線で描かれていることに気が付きましたか?

ここには僕ら3人だけではなく、たくさんのお客さんに入ってきてほしいという想いが込められています。また、ロゴ全体を俯瞰して見ると「早送り記号」のように見えますよね。これは、最初は僕ら3人の力で、次第にお客さんの力を合わせ、3倍から何倍にも勢いを増して「RAFNIST」が広まっていくことを願ったデザインになっています。

 

ポップアップストアとしての販売経験_現在に至るまでの道のり

佐藤:創業1年目は府中市内の各地でポップアップストアとして販売を行っていました。しかし2年目に差し掛かると言うところで新型コロナウイルスの影響に見舞われ、お客さんとの距離が遠のいてしまったんです。そこで2回目のクラウドファンディングを行い、軽トラックを改造して府中市内を回りながら移動販売を始めました。

そんなある日、知り合いの飲食店や美容室の駐車場を借りて販売を行っていた時に、縁あって「くるる」の区画でポップアップストアをやってみないかという話をいただきました。その後「ミッテン府中」や「ル・シーニュ」でのポップアップストア開催を経て、今年の2月から「ぷらりと京王府中」のこの場所に常設店を構える運びとなりました。

まち一番の笑顔溢れるお店を目指して_今後の展望と読者へのメッセージ

佐藤:商品を購入するかどうかに関わらず、気軽に集まって話して帰ることができるような居心地のよい場所になればいいと思っています。

当初は男性のお客さんがターゲットだったのですが、今ではお客さんの約4割が30~40代の女性の方々です。接客を通しお客さんと新たなファッションとの出会いを導くお手伝いもできますし、それだけではなく些細な日常会話をすることで一つの交流が生まれますよね。

今後も府中を中心にお店を運営することに変わりはありませんが、ここを基点に笑顔溢れる交流の場としての「RAFNIST」がより大勢の人々に愛され広がっていくことを願っています。

僕は接客が大好きですし、色々なお客さんとお話できることを楽しみにしています。この記事を見た方、ぜひお店に来てください☆

(文:堀 詩 東京外国語大学学生)

(写真:山口 紗和 東京外国語大学学生)

 

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府中に息づくお店探訪「野菜日和 じげもんちゃんぽん」in ミッテン府中

今回訪れたのは、ミッテン9階のフードコートにお店を構える「野菜日和 じげもんちゃんぽん」さん。じげもん、野菜日和の言葉に込めた思いや、意外と知らなかったちゃんぽんについて等、長崎県出身でありながら現在は府中にお住まいで、お子さんも府中で生まれたというエリアマネージャーの平湯耕三さんにお話を伺いました。

「じげもん」「野菜日和」に込めた思い

「じげもん」というのは、長崎の方言で「地元の」という意味なんです。弊社の代表も長崎出身なので、店名にも方言を使って「長崎」への思いを表現しています。

「野菜日和」というキャッチコピーは、野菜を日常的に食べてもらいたいという思いで付けました。「○○日和」とは「今日は何だかお散歩日和だな」というように、何かをやるのにうってつけというイメージで、「お野菜を食べるのにぴったりな日であるように」という思いを込めています。

ちゃんぽんと聞くと、名前を知ってはいるけどラーメンやタンメンとの違いを知らない方も多いのではないでしょうか。通常のラーメンではスープを入れた丼に麺を盛りつけて完成ですが、ちゃんぽんの場合はまず中華鍋で野菜をいためて、その鍋に麺を入れてぐつぐつと煮込む。お鍋のように炊いて仕上げます。

このようにスープと野菜や麺を別々に作ってからどんぶりで合わせるのではなく、全ての食材を1つの鍋で煮込むのがちゃんぽんの特徴です。

 

「じげもん」にあわせて変化するお店

じげもんちゃんぽんの強みとしては、ちゃんぽんのスープ、麺、飛魚(あご)のダシが効いたかえし(スープで割る前のタレ)をオリジナルで作った特製のものを使用しているところです。

また先ほどの「じげもん」にちなみ、そのお店がある場所に合わせた創作メニューを柔軟に打ち出せていける事がやはりうちの特徴かと思います。例えば府中だとファミリーや年配のお客様の方が多くいらっしゃるので、ちょっと懐かしいミルクセーキやフロート等をやってみたりして、サイドメニューを幅広く充実させています。他にもサラリーマンの方が多い店舗では肉みそをのせてがっつり系のメニューにすることもありますね。

野菜を食べるために開発された特別な麺

ちゃんぽんのスープは鶏×豚骨の特製Wスープと長崎名産の飛魚(あご)出汁をベースにしたかえしを使っています。また、箸でつかんだ野菜と一緒につかみやすく食べやすいように、麺の長さは約22 ㎝にしています。

実はこれは普通のラーメンなどでの麺に比べて短めなんです。野菜と一緒に食べることを第一に考えて作っているので、野菜なしで麺だけ食べると変な感じするなという方もいらっしゃるかもしれませんが、野菜と合わせると「こういうことか…!」とわかっていただけるかと思います。

 

ちゃんぽんを通じた社会貢献、そしてちゃんぽんに込める思い。

社会貢献の一つとして会社ではフードロスの削減に取り組んでいます。普段出るゴミの量をなるべく減らそうと野菜などの端材は何か他の料理で使えないかと考える等、いろいろな工夫をしています。

ちゃんぽんはマイナーでラーメンに比べるとまだまだ認知度が低いなと感じています。ちゃんぽん屋をかまえているつもりでも「ラーメンちょうだい」と仰るお客様がいらっしゃったり、まだまだ頑張りが足りないなと感じることがあります。だからこそ、一人でも多くの方にじげもんちゃんぽんを召し上がっていただき、長崎の文化である「ちゃんぽん」を知ってもらいたいと考えています。

 

将来的には、たっぷり使用されている自慢の野菜で、府中の農家さんともつながっていけたらと話す平湯さん。府中という第二の地元で、「じげもん」を活かしたちゃんぽんが生まれていく今後に目が離せません。

(文:野崎夏帆 東京農工大学学生)

(写真:本間美実子 東京農工大学学生)

 

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府中に息づくお店探訪「青木屋」in フォーリス

店主の優しさ溢れる老舗和洋菓子屋「青木屋」

 

府中駅横「フォーリス」の1階に店舗を構える「青木屋」は、武蔵野地区に13店舗を構え、今年で創業130周年を迎える老舗のお菓子屋です。人気商品である「武蔵野日誌」を筆頭に、どら焼きや饅頭など、長年にわたり地域の人々に愛されるお菓子を提供しています。

こちらでは、店舗の歴史、店長の冨田さんのご経歴や店舗運営におけるこだわりについてご紹介していきます。

 

明治時代から続く「青木屋」が地域に愛され続ける所以

 

ー青木屋さんは今年で創業130周年を迎えたそうですね。長く愛される秘訣は何だと思われますか?

地域に密着した店舗づくりをしてきたことだと思います。例えば、学校にはかなり根付いていますね。小学校から大学まで、卒業式、入学式、文化祭などで出しています。また、冠婚葬祭で使っていただいたり、子ども食堂さんのお菓子として出したりと、ことある場面で青木屋のことを利用していただいています。

昔から府中に住んでる方が今もよく買いに来てくださるのも、青木屋がずっとこの地域とともに歩んできたからです。地域の皆さんのおかげで、ここまでやってこれました。

他のお菓子屋さんとの違いとして大きいのは、青木屋ではお菓子は全て府中にある自社工場で作っていて、自社便で各店舗に届けているので、作りたてを販売できていることです。近隣地域への配送も、青木屋便があるので全て無料です。大きすぎる会社ではないため、新商品が出たらすぐ全店舗展開もできますよね。こうして身近なお客様に一番美味しい状態ですぐにお届けできる工夫をしてきたからこそ、地域の皆さんに馴染んでいただいてるのかな、と思います。

 

何事にもNOは言わない。——より多くのお客様に笑顔を届ける工夫

ー冨田さんの、働く上でのこだわりを教えてください。

お客様のご要望になるべく応えることです。例えば、以前、一升餅(一歳になったことをお祝いする一升サイズの餅)を当日に購入したいというお客様がいらっしゃいました。本来は予約をもらって前日から餅の用意をするものなんですけど、一生に一回しかないことなので、こちらも応えてあげたいと思いました。そこで、なんとか夜でしたらご用意できますと伝えて準備をしたところお客さんにすごく喜んでもらえて、後日「良いお祝いができました」と感謝の連絡が来ました。すぐ「できない」と言うのではなく、最善を尽くすのがこだわりですね。他のお菓子屋さんだったらできません、と言われるけど、青木屋だったらなんとかしてくれるかもしれない、って思ってくださればお客様は来てくれますし、やっぱり、喜んで買ってくれるのが一番良いですね!

ーそうなんですね。冨田さんはお客様に価値提供するため多くの工夫をしているようですが、何か心がけがあるのでしょうか?

そうですね、従業員のスタッフがやろうとしていることに、NOを出さないことです。やってみてダメだったらやめれば良いだけなので、ダメっていうことは何もない。例えば、売り上げアップを目指すにしても、「どうやったら売れるかな?売れる工夫ある?」と訊いて案をもらう。そしたら案が出てくるから、ちょっと試してみる。すると、どうやって売ろうか、とみんな意識し始めるんです。意識し始めると売り上げって上がってくるんですよ。明日明後日に売り上げを上げよう、っていうのはめちゃくちゃ難しいことなので、少しずつ気持ちを高めていって、売ろうっていう意識の土台を作る。一人ずつの意識が上がって行ったら、総勢18人いるので、その力ってとてつもなく大きいです。こうして、過去最高売り上げを更新していっています。

 

キーワードは「雰囲気づくり」

ーお店を運営する上で、心がけていることはありますか?

とにかく、スタッフに楽しく働いてもらうことですね。大学時代にお菓子屋さんでアルバイトをしていた時、店長がめちゃくちゃ厳しかったんです。常に機嫌が悪くて、怒られて、嫌だなって感じていたので、自分はその逆をやろうって思いました。反面教師ですね。自分は、店長だからこそいつも笑っていられるようにしています。疲れた顔もあんまり見せない。

ーなるほど。一番に雰囲気作りを重視しているんですか?

そうです。彼らが楽しく働いてくれたら、絶対に売り上げはついてくるんですよ。集客はこっちでやるよ、だからスタッフさん達は楽しんで売っちゃってね、という考えでいます。

ー素敵なお考えですね!スタッフさんの定着率も高そうですね。

結構長く働いてくれていますね。学生だったら卒業するまでいます。それだけ居心地いいのかなって。

シフトが入ってない日も来てくれるんですよ!喋りにきてるんです。(笑)そういう時にこそ、あ、来やすい場所にできてるんだなって感覚になります。中学生の職場体験もやってるんですが、半分以上の人は終わった後にまた来てくれて、「楽しかった!」って言ってくれます。ありがたいですね。彼らが青木屋のことを好きになってくれて、ふとした時に買いに来てもらえる。そういうことが積み重なっていけば、売り上げも上がっていく。私たちもお客さんも嬉しい関係性を作るために、青木屋のファンが少しずつ増えていくことが大切なんです。

アルバイトの関さんにもお話を伺ったところ、「店長は毎日、その日シフトに入っている全員とコミュニケーションをとることを意識している」と教えてくださいました。冨田さんが明るく楽しい環境づくりをしていることをひしひし感じるそうです。

 

実は筆者も幼少期に「武蔵野日誌」を毎週のように食べており、青木屋さんは馴染みのあるお店でした。そのため、今回のインタビューでは、知られざるこだわりを聞けると、ワクワクして取材に臨みました。お話する中で、冨田店長の過去の経験を通じて生まれた優しい心がけが、働き手、買い手の双方に長く愛されるお店づくりにつながっていることが伝わって来ました。これからも武蔵野の地で、お客様に愛され続ける青木屋さんであり続けていくのだと感じています。

店長・冨田さんの素敵なお人柄が生み出す居心地の良さと、歴史ある味わいを楽しめる「青木屋」さんに、皆さんもぜひ訪れてみてください。

(文:宇田川あみ 東京外国語大学学生)

 

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「Fuchu A Cappella Avenue 2023」開催!

今年も豪華300組のアカペラグループが出演する「ふちゅアカ」が帰ってきた!

楽器を使わず、全て声だけで紡ぎ出されるパフォーマンスはまるで魔法のよう。

活気ある府中の街を散策しながら、さまざまな演奏をお楽しみください!

同時開催の府中ストリートテラスも要チェック。

 

府中ストリートテラスはこちら

 

 

開催概要

開催日時:2023年8月13日(土) 10:00〜20:00頃

開催場所:府中駅前けやき並木・ペデストリアンデッキ・商業施設内(ミッテン9Fフー
ドコート・フォーリス1F光と風の広場・京王ぷらりとTSUZUMI前)

 

ふちゅアカホームページはこちら

 

 

後援: AJAA、府中市

協賛: ベースオントップ

協力: ル・シーニュ、くるる、ミッテン府中・フォーリス、ぷらりと京王府中、まちづくり府中

問い合わせ先:Fuchu A Cappella Avenue実行委員会

メール fuchu.acapella@gmail.com

 

 

 


【第60回府中市商工まつり】のご案内

令和5年8月5日(土)、6日(日)の2日間、大國魂神社境内および、けやき並木通りにおいて「第60回府中市商工まつり」が開催されます。

8月5日(土)10:00~19:00

8月6日(日)10:00~18:00

主催:むさし府中商工会議所

後援:府中市、府中市教育委員会、府中市商店街連合会、(公社)むさし府中青年会議所、(一社)まちづくり府中、府中観光協会、全国観光土産品連盟

詳細は、むさし府中商工会議所のホームページをご覧ください。

https://www.tama5cci.or.jp/chamber/maturi/index.html

 


令和5年「すもも祭」からす団扇の頒布について

毎年720日に斎行される「すもも祭」でのからす団扇頒布につきまして、

令和5年のからす団扇頒布期間は、20日(木)、22日(土)、23日(日)の3日間とのことです。

頒布時間は以下の通りとのことです。
20日(木) 6:00~21:00
22日(土)  9:00~17:00
23日(日) 9:00~17:00

※露店商の出店は20日すもも祭当日のみ。
※すももの露店につきましては23日(日)も出店予定。

詳しくは、以下の大國魂神社公式ホームページをご覧ください。

https://www.ookunitamajinja.or.jp/wp/info/1327.html