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【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「割烹 阿吽(あうん)」

【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「割烹 阿吽(あうん)」

このコラムは「第2回むさし府中まちゼミ」の講座と講師となる店主への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。取材を行ったのは、東京農工大学のまちづくりを研究するサークル「まちけん」の学生達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2019年7月の取材に基づき作成されました。


住宅街に佇むモダンな割烹

大國魂神社近くの住宅街の中に、「割烹阿吽」は店を構える。府中駅から少し離れたところにあるため、落ち着いていて入りやすい雰囲気である。会社の接待に使われているのはもちろん、地元の方にも愛されているお店である。今回は、そんな割烹阿吽で開催された「むさし府中まちゼミ」を取材した。

今回取材したまちゼミのタイトルは「山岡料理長が教える『親子』の料理教室」。親子3組が集まったところで、まちゼミが始まった。今回の献立は、ポテトサラダ。小さなお子さんでも作りやすい身近な料理であるが、同時に基本の手順が必要な料理でもある。

 

説明はさっと終え、早速実践に入る。山岡料理長は、あまり料理をしたことのないお子さんにも、包丁の持ち方から優しく教えてくれる。「力で切らずに、刃を滑らせて切ろうね。」「ゆっくりでいいよ。」子どもの方からも質問しやすい雰囲気になる。「できたよ!」「次は何するの?」こんな声が絶えず聞こえてくる。

 

山岡料理長はお子さんに指導をしながら、お母さんへも声をかける。「『少々』と『一つまみ』の違いは何だと思いますか?」お母さん方が首をかしげる。「『一つまみ』が指二本分で、『少々』は三本です。実は少々の方が多いのですよ。」「へぇ、そうなんだ。」驚きの声が挙がった。普段から料理をする大人であっても、料理について学ぶことは多い。料理の豆知識に耳を傾けるうちに、次第に山岡料理長のトークに引き込まれていく。

 

お子さん、お母さん、山岡料理長の双方で自然に会話が弾み、あっという間に一時間が過ぎた。無事にポテトサラダも完成し、親子での写真撮影の時間となった。「おなか減った~」「早く食べたい。」と話すお子さんには、笑顔が見える。試食タイムになっても、会話は続く。「おいしい?」「今度はお母さんの手伝いをしてあげてね。」

 

まちゼミ終了後、参加した小学生の兄弟に話を聞くことができた。「今日はどうだった?」と聞いてみると、二人とも声を揃えて「楽しかった!」と話してくれた。兄弟それぞれ、作ることと食べることが楽しかったそうで、笑いながら帰っていった。

 

講師の山岡料理長へのインタビュー

―「割烹阿吽」にはどういった由来や思いがあるのですか?

オーナーが「割烹阿吽」をオープンする前に立ち上げた会社が、オフィスAZ株式会社と言います。“A”と“Z”はアルファベットの最初と最後の文字で、ひらがなで考えてみると最初と最後の文字は「あ」と「ん」になり、そこから「あうん」を思いつきました。この「あうん」には、「阿吽の呼吸」という願いが込められています。従業員同士が空気を読んで「阿吽の呼吸」でお客様を迎え満足して頂くこと、そして、従業員とお客様の間での「阿吽の呼吸」で料理を提供することが大事だと考えています。

 

―どうして府中で「割烹阿吽」を始めたのですか?

元々は株式会社AZの社長さんと、私と古い付き合いがありました。その方が、ずっと「お店をやりたい」と考えられていて、店となる場所も見つかったということで、お店を始めました。府中でお店を始めたのは、オーナーが府中出身だからです。友人や知り合いの多いところで店を始めた方が、全く知らないところで始めるよりも、「地の利」を活かすことができるため、周囲の方に早く知って頂けると考えたからです。

 

―「割烹阿吽」のこだわりを教えて下さい。

こだわりとしては、料理において手抜きをしないこと、手間をかけること、心を込めて料理をお作りすることです。これらのこだわりをもって、提供させて頂き、お客様に喜んで頂きたいと考えています。素材についても手抜きはせず、養殖の魚は一切使いません。

 

―今回まちゼミを実施した思いを教えて下さい。

まちゼミで親子教室をやっていますが、実はお子さんよりも親御さんに料理を教えたいと考えて実施しています。子どもの頃からあまり料理の手伝いをしないため、大人になっても料理が苦手な方もいらっしゃいます。親御さんに料理をお教えして、それを家に持って帰って子どもに教えてもらうことが理想です。今回のまちゼミをきっかけに、家族の中でも話されて広まっていけばと考えています。正直まちゼミの1時間でお子さんに料理して頂くのには、時間が足りません。そのため、ジャガイモを前もって茹でるなど、事前に準備が必要となります。準備をしたせめてもの償いとして、素材の説明についてもしっかり行っています。

 

―最後に、お客さんへ向けたメッセージをお願いします。

予約がとりづらい、敷居が高いというイメージがあるかもしれません。コースだけでなく単品のアラカルトメニューも揃えていますので、そんなお高いということはありません。来られたお客様には、誠心誠意をもって料理をお出しします。注文が入ってからお作りしますので、お時間はかかりますが、その分満足頂ける料理をお出しします。ぜひ時間にゆとりを持ってお越し下さい。

 

【インタビュー・文】田島 玲(東京農工大学3年まちけん所属)

まちけんの活動はfacebookページをご覧ください。まちけんfacebookページ)


【店舗情報】

割烹阿吽

住所:〒183-0023 東京都府中市宮町二丁目22-18
TEL:042-306-5003
WEBサイト:https://kappo-aun.jp/
定休日:月曜日
営業時間:昼12:00~15:00/夜17:00~23:00