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【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「KikiZakeダイニング志喜」

【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「KikiZakeダイニング志喜」

※緊急事態宣言及びGOTO商店街事業一時停止延長に伴う国からの要請に従い、店舗内等で行うまちゼミについては中止となりました。
 Zoomを使ったオンラインまちゼミは予定通り実施いたします。
KikiZake Dining志喜さんの講座は中止となりました。
【オンラインでの開講講座一覧はこちら】

このコラムは「第3回むさし府中まちゼミ」の講師となる方への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。
取材を行ったのは、府中に関わる学生を中心とした若者達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2020年12月の取材に基づき作成されました。


誰もが落ち着いて飲めるダイニング

府中駅の北口から桜並木を歩くこと徒歩5分。
駅の喧騒から離れたところに、KikiZakeダイニング志喜はあります。店主の信濃さん選りすぐりの日本酒や焼酎と、絶品の肴を楽しむことができるとあり、府中市外からもお客さんが足を運ぶお店です。
4つのテーブル席がある店内では、その場に居合わせた「初めまして」の人たちの間で会話が弾むこともしばしば。
そんなビジネスマンから地元の大学生まで、幅広い人たちに愛される秘密を探るべく、日本酒初心者の大学生が実際に行って、お話を伺ってきました。

KikiZakeダイニング志喜のルーツは、憧れの釜飯屋?

「Kikizakeダイニング志喜」が開店したのは15年前のこと。店主の信濃さん曰く、お店の名前はお客さんに対してどうあろうかを示す大事なものと考え、「酒や釜飯の“四季”」と「お客さんに喜んで頂くことを志す”志喜“」を掛けて、この名前にしました。

 

そんなお店のルーツは居酒屋ではなく、なんと釜飯屋にありました。スーパーや雑貨店で働いた経験から食品に興味を持ち、地元府中で飲食店を始めるべく何をするか迷っていた際に思いついたのが、釜飯屋でした。というのも、小学生の頃から誕生日は必ず連れて行ってもらう憧れの釜飯屋があったからだそう。

そのため、最初は「本格釜めし志喜」として開店し、当時日本酒はメインではありませんでした。しかし、お客さんの「日本酒好きなら出せばいいのに」との一声から、少しずつ日本酒を増やすようになっていきました。残念ながら現在釜飯の提供は休止していますが、信濃さんの好きな「釜飯」と「日本酒」がお店の原点となっています。

店主の信濃さん流“おすすめの日本酒”

最初は3本ほどしかなかった日本酒ですが、今では常時30~40本ほど、春夏秋冬、季節に合わせた日本酒を取り揃えています。そんな幅広い日本酒を提供する上で、大切にしているこだわりを聞いたところ、予想外の答えが返ってきました。

 

「店長おすすめってあまり意味がない。お客さん何飲みたいですか。に対して、5つくらい好みに合った日本酒を提案して、5個の中から3つ選んでください。その中で60ミリずつ飲んで下さいってことが用は利き酒なんですよ。」

KikiZakeダイニング志喜に訪れるお客さんの多くは、メニューを見るのではなく、信濃さんと相談して、頼むお酒を決めていきます。ここでは、「店長のおすすめをお客さんに飲んでもらう」のではなく、「お客さんの好みを聞いて日本酒をおすすめする」ことを大事にしています。そのため、店内に揃えている日本酒は、単なる「店主の好きな日本酒」ではなく、「あなたの好きな日本酒を見つけるための選抜チーム」。信濃さんにとっての“おすすめの日本酒”とは、お客さんとの会話の中で見つけていくものなんだそう。だから安心して、初めての日本酒にも挑戦できるのかもしれません。

人と日本酒を繋げる“ナビゲーター”

もう1つ信濃さんには、日本酒を提供するプロとして、お客さんに出すお酒を選ぶ上で心掛けていることを教えて下さいました。

 

「お客さんの中には、私はこういった日本酒が好きだと思ってたけれど、こっちの方が好きだったとかあるんですよ。体験してみないと分からないじゃないですか。だからわざと、少し好みから外れたものも一緒に出すんですよ。お客さんと探り合いの中で、今まで知らなかった好みを見つけるというのが、『ハマる日本酒』です。」

確かに、一度好きな銘柄に出会ってしまえば、自分でもその銘柄だけを買って飲み続けることもできます。ですが、せっかくこのお店に来るのであれば、知らない日本酒にも出会ってほしい。そんな心意気を感じました。お客さんにとって、信濃さんは「日本酒の先生」ではなく、お客さんと一緒に欲しいものを探してくれる“ナビゲーター”のような存在です。

日本酒ビギナーを対象にまちゼミを実施する理由

昨年までの2回のまちゼミとは異なり、今回は日本酒ビギナーを対象にした講座となっています。今回のまちゼミは、どんな講座になるのかについて伺いました。

 

「まちゼミを開催して何が自分にできるかって時に、何が好きか分からない人にスタートで間違わせないことが大事かなと。ビギナーさんのストライクゾーンを広げていくというか。結局、学びと体験とそれをどう後押ししていくかですよね。単に日本酒を飲み物や酔うものとしてとらえるのではなくて、嗜好品、趣味、楽しみ、好きなものにしたい。今回のまちゼミは、日本酒の位置をワンランク上げていく講座になると思います。」

まちゼミに参加しようか迷っている方へのメッセージ

「日本酒って難しいものじゃないですよ。もっと、もっと、みなさんを美味しい日本酒に出合わせます。」

今回のインタビューの際、実際に私も利き酒を体験させて頂きましたが、「こんな日本酒もあるんだ!」、「同じ日本酒でも全然違うんだ!」という驚きと発見がありました。正直あまり日本酒は得意な方ではなかったのですが、「美味しいかも!」と思える日本酒を教えて頂きました。

日本酒に興味はあるけど一歩踏み出せないでいる方、日本酒が好きだけど新しいものに挑戦できないという方、ぜひ足を運んでみて下さい!

【インタビュー・文】田島玲(東京農工大学4年)
【写真】関谷昴


【店舗情報】

KikiZakeダイニング志喜

住所:〒183-0055 東京都府中市府中町1-27-8

TEL:042-365-8900

FBページ:https://www.facebook.com/KZdining

定休日:月曜日

営業時間:17:30~23:00(日曜のみ22:00まで)