お店&施設情報 

【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「株式会社セカンドファクトリー」

【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「株式会社セカンドファクトリー」

※緊急事態宣言及びGOTO商店街事業一時停止延長に伴う国からの要請に従い、店舗内等で行うまちゼミについては中止となりました。
 Zoomを使ったオンラインまちゼミは予定通り実施いたします。
セカンドファクトリーさんの講座30番「
紙からWEBへ申込&アンケート作成講座」はオンラインに移行し開催されます。
【オンラインでの開講講座一覧はこちら】

このコラムは「第3回むさし府中まちゼミ」の講師となる方への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。
取材を行ったのは、府中に関わる学生を中心とした若者達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2020年12月の取材に基づき作成されました。


府中駅から徒歩3分ほどのところにオフィスを構えるIT企業「株式会社セカンドファクトリー」を22歳の時に起業された斎藤さん。現在、府中における様々な市民活動に関わっていらっしゃいます。

株式会社セカンドファクトリーとはどのような会社なのか、そして市民協働活動や今回のまちゼミの内容にこめる思いとは。

 

株式会社セカンドファクトリーについて

デジタル*社会価値*未来創造ということをテーマに、企業のデザイン戦略やシステム開発、そして食に関連する事業も行なっています。

これまで行なって来た案件の例としては、JAL国内線のチェックイン機の開発があります。人が行なっていた部分をデジタル化し、人件費削減・外国語対応・時間短縮を実現させました。

別の例としては、こどもチャレンジの「赤ペン先生」のデジタル化。

従来の赤ペン先生は、生徒が送った答案を郵便で送信し、先生が一枚一枚手書きでフィードバックを記入し、各家庭に返送するという方法を取っていましたが、紙媒体だとどうしても時間がかかってしまう。この過程を「紙からデジタルへ」移行するにあたっての仕組みを作りました。

デジタル赤ペン先生。開発に当たってこだわったことは

デジタル化によって赤ペン先生の良いところが失われないようにした上で、さらに新たな体験を提供できるように努めました。

例えば、丸付け。

丸つけの止め・はね・はらいには赤ペン先生の勢いや思いが全て乗っています。先生のその熱意や思いが、デジタルになっても失われないようにしたいと思っていました。そこで、「丸付けをアニメーション化する」という方法をとりました。子供達は先生による採点がリアルタイムで行われているかのような臨場感と身近さを味わうことができます。

これは、他の案件を通しても行ってきた「体験デザイン」の良い例ですね。

こと、モノ、人、環境をデザインすることで新たな体験を創造するというのが私たちのテーマの一つでもあります。こうしてデジタルツールを作ることで多くの人に新しい体験を提供していくということにやりがいを感じています。

 

新たな価値の創造

デジタルツールを通して便利さや効率を追求するだけではなくて、その人が気づいていないなりたい自分・使っていて楽しくなるようなものを提供したいと思っています。それはつまり問題解決のその先の、価値創造です。

わかりやすい例としては、過去に作成したにっこりすると出勤時の打刻ができるという顔認識打刻ツール。出社時に笑顔を作ることで気持ちよく1日を始められるうえ、打刻という行為が楽しいものに変わりますよね。

体験デザインを通して新しい価値を提供するにあたって、利用者に徹底的に寄り添った人間中心設計を大切にしています。

 

府中での市民活動―共創

約20年府中で会社をやってきたうちの最初の15年は府中との地域交流はありませんでした。府中市民の方の知り合いもほとんどいませんでした。そんな中、ITを活用してまちを豊かにしていくcode for fuchuの取り組みを始めることになり、それがきっかけとなって市民の方々との交流を持ち、今では府中は自分にとっての居場所となっています。府中テラス、フューチャーセンター、そして今回のまちゼミなど、府中における数々の市民活動と協働しながら、「creative cityとしての府中」を共に創っていきたいと考えています。街全体が創造性にあふれ、人と繋がっていくことで問題解決や自分のやりたいことが実現できる、そんな街にしていきたいですね。

 

 

コロナ禍での市民協働活動―お弁当プロジェクト

最近行なった府中における活動で大きな反響をいただいたものがあります。府中お弁当プロジェクトー「FUCHU BENTO MAP」です。コロナ禍で奮闘しているお店とお客さんとをつなぎたいという思いで、テイクアウト・お弁当販売を行なっている街の小規模飲食店の情報を載せられるアプリを作成したのです。テイクアウトに取り組むお店を集めて発信し、ご近所のお店の情報が探しやすく、また購入したお弁当の写真や情報をハッシュタグをつけてsnsで発信することで地域のお店を応援するという活動も併せて行いました。

 

さらに、ほかの地域で同じような仕組みをやりたいという人を支援する起点にもなれたらいいなと言う思いから、このアプリが簡単にコピーできるよう情報を公開しました。こうして府中以外のバージョンも自由に作れるようにしたところ、なんと北海道から九州まで、全国約90箇所の市区町村でこのアプリが広がったのです。その過程で、ネット上で自然発生的にアプリを広報したり作り方を教えあったりする人たちが連鎖反応的に登場したことには驚きでした。

 

お店の方からの反響も続々と届きました。「これまで誰も来てくれなかったのに、お弁当プロジェクトをやってから売上が倍に伸びた、びっくりだ」と言ってくれるお店の方もいらして、とても嬉しかったですね。

 

今回のまちゼミの講座内容―「紙からWEBへ」

人と人とをつなげる手段の一つとしてより多くの人にデジタルツールを使ってもらいたいと思い、今回のまちゼミの講座内容を考えました。

具体的には、イベントの参加申し込み、参加後の満足度アンケートなどをデジタルで収集できるようにgoogleフォームの作り方をお教えします。

なにか活動をしている方やお店をやっていらっしゃる方にもぜひ参加していただきたいです。オンラインフォームは抽選で何名さま〜といったキャンペーンや、お店利用後の感想募集にも利用できます。お店でのコミュニケーションに加えた、プラスワンのエンゲージメントの選択肢の一つとしてぜひ活用されてみてはいかがでしょうか。

 

 

「このご時世、利用者の声を聞く機会が減ってしまった」

「存在は知っているけれど、フォーム作成のはじめの一歩がなかなか踏み出せない」

そんな方にぴったりの内容です。ぜひ、一緒にはじめの一歩を踏み出しませんか。

【インタビュー・文】吉武かおる(東京外国語大学3年)

【写真】関谷昴

 


【店舗情報】

株式会社セカンドファクトリー

住所:府中町1-14-1 朝日生命府中ビル12階

ホームページ:http://www.2ndfactory.com/