お店&施設情報 

【まちバル特集】府中に息づくお店探訪府中に息づくお店探訪「cafe marble FOOD×DESIGN×LIFE」

【まちバル特集】府中に息づくお店探訪府中に息づくお店探訪「cafe marble FOOD×DESIGN×LIFE」
このコラムでは、2022年に開催を予定している「第2回むさし府中まちバル」の実施店舗への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。
今回は、府中市内にある東京外国語大学との連携企画として、東京外国語大学の学生取材班の皆さんに取材をしていただきました。
※この記事は2021年9月の取材に基づき作成されました。

今年7月27日に「ホテルケヤキゲート東京府中」2階の“LIGHT UP LOBBY(ライトアップロビー)”内にオープンしたカフェスペース「marble(マーブル)」。

「ヒト」「コト」「モノ」が混じり合い、新しい価値観が生まれ、新しい価値観に出会う場所をコンセプトに、府中オリジナルカフェメニューを提供しています。府中駅直結の利便性を生かし、子連れの家族から年配の方まで幅広い世代が利用できる空間となっています。新築のピカピカのビルと対照的に、フレンドリーでどこか懐かしい雰囲気がそこにはありました。

今回は、オーナーの新井有佐さんにお話を伺いました。

府中でしかできない挑戦

marbleがある「ホテルケヤキゲート東京府中」は、37年間府中市民の交流の場として親しまれた「府中グリーンプラザ」の跡地にあります。オーナーの新井さんの両親は「府中グリーンプラザ」内のレストラン「サングリア」を経営していました。

両親のレストランと共に育った新井さんは、成長するにつれて他の市や国と比べて、「府中がこんなところだったらおもしろいのに」と想像を膨らませるように。「武蔵国」と呼ばれる、歴史と文化が栄えた府中ならではの歴史と新しいものが交わる場所があればいいのに・・・という発想が「marble」の誕生につながりました。それは、市民会館のような古い形ではなく、古き良きコミュニティを残しながらも、新しい流行や匂いを交え、府中市民の新たな憩の場を作り出せないかという新井さんの挑戦でした。

いろいろな「ヒト」「コト」「モノ」が混じり合い、新しいものと古いものが組み合わさり、年輪みたいに重なり合ってマーブル模様ににじみ合う場所であってほしいという願いを込めて、「marble」という名前がつけられました。
marbleは利用者が「ここに来たら何か楽しいことがあるのかもしれない」、「ここに来たら新しい出会いがあるのかもしれない」といった思いで来て、本当に実現していく場所になって欲しいと新井さんは語ります。

人とのつながりを大切にする場所

コロナの影響でリモートワークが広がる一方で、人とのつながりやコミュニティが注目されつつあります。新しいことを一人だけで始めるのは大変ですが、人が揃うとエネルギーになって全然違うことができるようになることもあります。例えば、絵がかけるけどパソコンが苦手な人は、パソコンが得意な人とつながることで、新たな可能性が生まれるかもしれません。「人と人とがつながり、新しいものが生まれる、出会いの場になってほしい」と新井さんはお話ししてくれました。

実際にmarbleには、人とのつながりを楽しめる過ごし方があります。ギャラリーは毎月違うアート作品が楽しめます。訪問した時は、府中市美術館の公開制作を行うアーティストの淺井裕介さんのアートが飾られていました。さらにユニークなのが、誰でも本屋さんのオーナーになれる「ヒトハコ書店・ヒトハコレコード」。壁一面の本棚は、一箱が本屋のようになっていて、みんなに読んでもらいたい本や買ってもらいたい本を自分の好きなレイアウトで並べることができます。本を通して、他の利用者と交流することができるしくみになっているのです。

府中への想いが詰まったメニュー

marbleのコーヒーメニューには、府中を連想させる名前が付いています。深煎りのコーヒーは「くらやみ祭り」をイメージして「くらやみ」。中煎りは真ん中をイメージして、かつて府中のあたりが武蔵国の政治的中心地であったことから「むさし」。浅煎りのコーヒーはフルーティーで緑をイメージして「けやき」。どのコーヒーにも、飲んだ時に府中を思い出してほしいという新井さんの願いが込められています。

そして最近人気を集めているのが、カップに入った色とりどりのパフェ。桃やぶどうなどの季節のフルーツを使っています。コロナ禍で外出が減る中で、家でドキドキしながら、キラキラしているスイーツを食べてほしいという思いから考案されました。また府中の手土産として利用していただけるように、府中産のハーブやぶどう、ブルーベリーを使っているのも特色です!

利用者と従業員みんなで作り出していく

これから始めるランチメニューは、なんと、お店に来たお客さんにどんなランチを食べたいかを聞いて、お客さんの声をもとに考案中だそう。また府中市民がやってみたい企画を持ち込んで一緒に実現していけるところもmarbleの魅力です。料理教室や塩麹作り、多肉植物のワークショップや、毎年10月に府中で開催される「プチナッチェ 府中こどもマルシェ」の展示品を販売するイベントを現在企画中だそうです!

3年後の理想像を聞いてみると、意外にも、「やってみたいと言う子が出てきたら、一緒に運営や自立した企画をやってほしい」とのお話が出てきました。現在一緒に働く仲間たちにも、ここは自分のやりたいことを実現させる場所だと日頃から伝えているそうです。marbleで働くには、接客や掃除などの一般的な「応える仕事」だけでなく、自ら考えて、実現することも求められます。まさに学生にとってはアルバイト以上の社会経験が積めるのです。

「やっていること自体は小さいかもしれませんが、経験しなければ、自分の中に残らないこともあります。日常の少しのステップアップでも溜まっていくと、全然違う、人間としての厚みになっていって、そして社会に出ると、オリジナルの自分らしさになって出てくると思うんです。だから、やりたいことを持つ若者が出てくれば、応援したい。3年後は彼らのチャレンジの場として提供したい。すごく楽しみです!」(新井さん)

やりたいことを持つ若者を後押ししたい

新井さんがやりたいことをやってほしい、と若者を応援するのは、ズバリ自分がやらせてもらえたから。かつての府中グリーンプラザの屋上のビアガーデンのリメイクと運営を高校生ながらやっていたそうです。試行錯誤して自分のアイディアを形にする経験をしたことから、若者を応援したいと思うように。「自分で考える力は授業の中ではなかなか教えてもらえません。やっぱり自分で率先的に外に出て行って、チャンスを掴んでいって、それを表現していく、そういう時間を若い子たちには過ごしてもらいたいと思っています。」(新井さん)

コロナ禍でオンライン授業やリモートワークが増える中、「人とのつながりを大事にする」marbleのコンセプトから学ぶことが多くあるのではないでしょうか。
利用者の私たちも、この空間を一緒に作っていくことができるのもとても魅力的に感じました。もともと府中に暮らしている方はもちろん、新しく府中に引っ越してきた方も、marbleで古き良き府中の魅力と新しいアイディアの融合を楽しめると思います!

 

【インタビュー・文】長谷部 結衣(東京外国語大学国際社会学部2年)

【写真】関谷 昴


【店舗情報】

cafe marble FOOD×DESIGN×LIFE

住所:〒183-0055 東京都府中市府中町1丁目1−1 ホテルケヤキゲート東京府中2階 LIGHT UP LOBBY marble
http://www.marble-keyakistreet.com/