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府中に息づくお店探訪「Space KURURU by Breath」in くるる

府中に息づくお店探訪「Space KURURU by Breath」in くるる

どんな人にもほっと一息つける瞬間を

府中駅から直通で行ける商業施設「くるる」4階の角へと向かうと、明るく穏やかな光が溢れる空間へとたどり着きます。

 この度取材をさせていただいたのはこちらでコワーキング・レンタルスペースを提供されている「Space KURURU by Breath」さん。作業用のテーブルや半個室空間など、通常のコワーキングスペースと変わらない部分も見られますがそれだけではなく、とある意外な要素も備えているのが特徴です。今回は、創設者の本多様へインタビューをさせていただきました。起業のきっかけとなる原体験や、地元への熱い思いなど、社長による貴重なお話を交えて早速ご紹介していきます。

他とは一味違ったコワーキングスペース「Space KURURU by Breath」が掲げるテーマとは

 コンセプトとしてはコワーキングスペースが近く、お仕事や勉強をされる方々にも利用していただきますし、休憩場所としても使っていただいています。他にも、アート作品の個展を開催したり、個人の方が教室を開いたりできるイベントスペースとしても活用されています。また、半個室を提供する施設の中で府中駅から一番近い場所でもあるので、オンラインミーティングをされる方にも重宝されています。

しかし、他の施設との一番の違いは、「子どもを連れてきても大丈夫な場所」だということです。どの学年の子どもたちも一斉に見ておける学童としての役割も果たしていて、お子様連れの方がこの場所に来てお仕事をされることも多くなっています。

 この空間は見ていただいてもわかるように、年代も目的も空間も、何事も「区切らないこと」を大事にして作られています。できるかぎりオープンな環境を提供するのがこだわりで、必ずしも働く人のためだけの空間ではありません。そのため私は、コワーキングスペースではなく「多世代多目的スペース」と呼んでいます。昔でいう駄菓子屋や喫茶店のように、赤ちゃんからお年寄りまで利用していただけるリラックス空間を意識して運営しています。

「子どもたちと一緒に利用できる作業空間」設立のきっかけ

 起業をしたきっかけは、私自身が赤ちゃんを連れて仕事をしたいと思った時に、そのための場所がなくて困った経験をしたことです。

私は当時から行政書士として働いており、個人事業主でしたので産休も育休もなく、夫は会社勤めでいつも家にはいない状況でした。保育園もいっぱいで預けることもできず、毎日子どもを見ながら自分の仕事をしていくのがすごく大変だったんです。

『1時間だけでも自分一人の時間があれば終わるのに…』と思った時に、ふと『なんでこうなの?』と思ったんです。

それは社会に対しての怒りでもありました。その時、自分の作業をほんの少しやりたくてもできない人たちのために、「ちょっと子ども見てて!」ができる社会を作っていこうと思い立ちました。

エネルギー溢れる行動力の原点と、現在へとつながる思い

 昔から、私は何かを変えたいという思いが人よりも強いのだと思います。学生時代は100人以上所属する合唱部で活動していました。そこで実感したのは、大きな組織であるほど不満はたくさん生まれるけれど、ただ文句を言っているだけでは解決されないということです。その結果、『だったら行動すればいいのでは?』と思うようになり、今に至ります。

口だけになりたくないんですよ。実際、“何かを変えたい“という思いから、近年では武蔵野市議会の議員も務めさせていただいています。自分のお店と議員としての活動を通じて、官民両方における社会課題解決のインプット・アウトプットを同時に行えており、どちらのエッセンスも得られるため、活動に相乗効果が生み出されていると感じています。現在は子育て支援・キャリア支援を通じた地域活性化のために活動中です。

経営者と政治家「二足のわらじ」を履いて得たキャリア観とは

 私は子どもが3人いるのですが、子育て真っ最中という議員はなかなかいません。マイノリティだからこそ、自分が活動する姿を周りに見せることで、子育てしながらでも議員活動はやれるんだよ、ということを示していければと思っています。

また、政治家は職業の選択肢の一つとして考えられることが少ない仕事であると感じています。しかし、自身のキャリアが断絶するというよりむしろ、人々の生活に直結する活動ができ、自らの主張を実践に移せる素敵な仕事です。若者たちには一度政治家というキャリアを挟んでみては?と伝えたいです。

「Space KURURU by Breath」と社長が目指していく今後のビジョン

 今後3年間はとにかく、「Space KURURU by Breath」が持つ「多世代多目的スペース」のスタイルを広めていきたいと考えています。というのも、創立してからのこの5年間で、幸いにも多くの方々がこの施設のノウハウを学びにきてくださっていたので、ビジネスモデルの認知度は全国的に高くなっていると感じていたのですが、展示会に出展してみたところまだまだ知られていないということが分かったからです。以来、まずは多くの人に「Space KURURU by Breath」を知ってもらい、将来的に同じような活動が各地で根付いていけばいいなと考えています。

また、自分としては、目の前の課題に取り組み続け、地域のために生きていければと思っています。都度仕事のやり方やポジションは変えていくと思いますが、心のコアにある部分は変わらず、自分の目に見える範囲の課題を着実に解決していくことを目指していきます。


筆者コメント

今回のインタビューを通じて、課題を発見し、実践的に解決していく本多さんの行動力に大きなパワーをいただきました。通常なら見過ごしてしまう社会の不の側面を発見したり、実際に動き始められていないところに目をつけ、自身の思いに実直に動き続ける姿がとても印象的でした。

改めて、お忙しい中インタビューにお答えくださりありがとうございました。これを読んでくださった皆様も、このように熱い思いから生まれた「多世代多目的スペース」へぜひ足をお運びください。日頃の悩みから解放され、ほっと一息つける空間がそこにあるはずです。

 

(文:宇田川あみ 東京外国語大学学生)

(写真:山口 紗和 東京外国語大学学生)