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府中に息づくお店探訪「盛よし」in ぷらりと京王府中

府中に息づくお店探訪「盛よし」in ぷらりと京王府中

松本の名店の味と思いを府中へ

今回取材したのは、ぷらりと京王府中の1階にお店を構える洋食店の「盛よし by onion」さんです。「盛よし」は、松本市では知らない人はいないとまで言われるほど地元で愛されている洋食屋店で、2023年末に2号店が新しく府中にオープンしました。

お店の立ち上げや経緯についてをマネージャーの淺川和也さんに。お店の魅力やこれからについてを小学生の頃から松本の本店に足しげく通い府中の店舗の立ち上げにも関わった井口あずささんと、キッチンで腕を振るう餘田宗彦さん、店長の秋田学さんに伺いました。

松本のシンボル的な存在であった洋食店「盛よし」の復活

(マネージャーの淺川和也さん)

この「盛よし」というお店は、元々長野県の松本市というところで40年ほど前から営業していた洋食店になります。その洋食店が、2023年3月に元々のオーナーの体調が悪くなったことと、跡を継いだ娘さんが急に倒れたことで閉店しました。それから半年ほどたったところで私たちオニオン新聞社という会社が事業を継承し、8月から店舗を再開させました。その後、ここ府中に2023年12月に2号店をオープンさせました。

店名の「盛よし」は、創業者の名前が須澤盛義(もりよし)さんだったことと、学生さんや若者の人たちにお腹いっぱい食べてほしいということで、「盛りが良い」というところを掛けて付けられたと言います。

その後ろにつく「by onion」の部分ですが、ひとつは弊社がオニオン新聞社という名前であること、もうひとつは創業者の後を継いだ娘さんの「店を受け継いだら店名をoignon(フランス語でオニオン)に変えたい」という思いも一緒に合わせてつけさせていただいています。

「民芸」は、松本の方の店舗で松本民芸家具という松本で何百年も作り続けられている家具を店内に使っているのが名前の由来です。

府中は松本に似ている。~2号店を府中に出した理由~

2号店を府中に出した理由として、まず1つは街の雰囲気が似ていることが挙げられます。松本は府中程大きい町ではないのですが、若い人から高齢者の方々まで安心して住めるようなまちづくりをしている点がちょっと似ていると感じます。あとは、自然が豊富にあったりだとか、多摩川の水系から恵みを得ていたりだとか、住んでいらっしゃる方の人柄が、松本と似ているんじゃないかなと思いますね。

このお店のアピールポイントとしては、昔から愛されている昔ながらの洋食が楽しめるというところですね。ソースであったりだとか、コロッケの具材であったりだとか、そういうものを松本でしっかり修行をした人たちがこっちへ持ってきて、しっかり同じ味を再現しています。また、若い方やたくさん食べる方々に向けて、量が多くて盛りがいいところもポイントです。

盛よしのポタージュの虜に

(大の「盛よし」ファンだったと語る井口あずささん)

私が1番好きなのはポタージュです。小学生の時に初めて「盛よし」のポタージュを飲んでから、ずっと常連として通っていました。松本の店舗には長年の味を守り抜いてきたシェフたちがいて、味を守ることをすごく大事にしてるので、そこが盛よしの魅力かなと思います。

私は元々小学校2年生頃から「盛よし」に通っていて、松本のお店がオープンするときにアルバイトでお店に入り、10月頃に社員になりました。 そのため、松本のお店のオープンにも、府中のお店のオープンにも関わっています。

府中に2号店を出すときは、お年寄りの方が多くいらっしゃったり、 まちの人たちが優しかったり、まちなみ等は松本に近い部分があったのですが、0から全てを作らなければいけなかったので、本当に大変でした。松本のお店が復活する時も大変といえば大変だったのですが、元々基盤ができてる状態とはすごく差がありました。

大変な思いをして作った府中店なので、ぜひ多くの人に良さを知ってもらえるように、松本で守り抜かれた「盛よし」こだわりの味を府中の2号店でも貫いていきたいです。

「盛よし」独自の味を知ってもらいたい

(キッチン担当の餘田宗彦さん)

 

このお店の魅力といえば、個人的な感想ですけど、やっぱりカニコロッケがうまいです。カニ自体のおいしさもそうですし、クリームを噛んだ時のあのとろける食感が魅力ではありますね。仕込みも大変なんですが、唯一無二の味になっていると思います。

料理自体が昔ながらの洋食なので、いわゆる普通の洋食とはちょっと違った部分もあります。例えば盛よしのハンバーグはやや薄めでパン粉の量がちょっと多めなので、まわりはカリっと中はジューシーな仕上がりになっています。

他には、ヒレカツにも特徴があります。棒の状態から手切りしたジューシーなカツに、信州味噌を使ったソースをかけています。麹味噌なのでちょっとさっぱりしつつ、味噌の濃厚な味や渋みもちゃんと味わえるようなメニューになっています。

府中で「盛よし」の味を皆さんに知っていただいて、この味が気に入っていただけたら週に1度でも足を運んでいただいて。あわよくば松本の本店の方にも足を運んでいただけるような、そんな店作りをしたいですね。

(受け継がれた味を守るキッチンの様子)

味を受け継ぎ、府中でもシンボルになるお店へ

(店長の秋田学さん)

自分が目指したいお店という意味では、おいしさはもちろんのこと、やっぱり来られたお客様みんなに笑顔で帰ってもらいたいというのがあります。

アットホームな雰囲気で、嫌なことがあってもここに来れば笑顔で帰れるというお店を目指していきたいと思っています。笑顔で帰ってもらえるような常連さんをこれからどんどん作って、新規のお客さんにもやっぱり笑顔で帰ってもらえるようなお店にしたいというのが1番ですね。

松本で洋食店と言ったら「盛よし」なんです。ですので、府中の方々にとってもシンボルのようなお店になれたらなと思っています。

オニオン(たまねぎ)って輪なんですよね。このお店に人が集まることで、輪の中心になって、和を作っていって、この府中の町が少しでも盛り上がるお手伝いができたらいいなと思います。

筆者コメント

皆さんのお話の節々から、「盛よし」というお店にかける愛情の深さが伝わってきました。

長年味を守り続けるということが、責任が重くとても大変なことだということも伝わってきました。

これから府中でも、守り続けた味で多くの人に愛されるお店になっていってほしいです。

お話を聞かせていただきありがとうございました!

 

(文:野崎夏帆 東京農工大学学生)

(写真:山口紗和 東京外国語大学学生)