お店&施設情報
府中に息づくお店探訪「魚力 ミッテン府中店」

府中の食卓に季節を届ける
ミッテン府中地下1階、生鮮ゾーンの一角にある「魚力ミッテン府中店」。店内に入ると、氷の上で輝く魚と、活気に満ちた「いらっしゃいませ」の声が迎えてくれます。対面コーナーには旬の魚がずらりと並び、切り身だけでなく丸魚を扱う姿も見られます。魚を通じて季節を感じられ、買い物そのものが“食の体験”になる場所です。
魚力の中でも府中店は品揃えの多さと鮮度の良さに定評があり、通りがかりにふらっと立ち寄る人も多いそう。「今は何が旬かな」とのぞき込むその一瞬が、日常の中のちょっとした楽しみになっています。地域に根ざした魚屋として、府中の食卓に寄り添い続けています。

季節を感じる魚売り場
「魚は季節ごとに顔が変わります。その時期に一番おいしいものを届けたい」と語るのは店長の小林さん。春の鯛、夏の鱧(はも)、秋のさんま、冬のブリや鱈など、旬を逃さず並べることを大切にしています。「季節を意識すると魚を選ぶのが楽しくなる」と話す小林さんの言葉どおり、売り場にはいつも旬の彩りがあふれています。
これからの季節は生牡蠣や鍋用の魚が主役。脂の乗ったブリや鱈は刺身でも鍋でもおいしく、「“今日は鍋にしようかな”と思ったら、ここに来れば全部揃うと、お客様に言われるのがうれしいですね」と笑顔を見せます。鮮度を守るために、氷の上で美しく並べる陳列や、温度管理の徹底にも余念がありません。

対面販売が生む会話と信頼
府中店の魅力は、何といっても大きな対面コーナー。「ただ魚を並べるだけじゃなく、お客様と話しながら選んでもらえるのが楽しい」と小林さんは語ります。柵(さく)をその場でお刺身にしたり、丸魚を下ろしたりと、調理法に合わせた細かな注文も可能です。「『この前のブリおいしかったよ』『今日のおすすめは?』と声をかけてもらえるのが励みになります」。お客様の声から次の仕入れや並べ方のヒントを得ることもあるそうです。忙しい時間帯でも一言添えるようにしているという小林さん。対面販売は、魚を売るだけでなく“お客様とつながる時間”でもあります。

府中に寄り添う魚屋として
魚力は全国に店舗を展開していますが、府中店は地域の暮らしに合わせた運営を意識しています。午前は年配の方や主婦層が「今夜のごはんに」と素材を選び、夕方は仕事帰りの方や若い夫婦が「すぐ食べられるお刺身や寿司」を手に取ります。時間帯に合わせて売り場の雰囲気や商品構成を少しずつ変え、幅広い世代のニーズに応えています。
また、スーパーでは見かけない旬魚や珍しい魚も積極的に取り入れ、「ここに来れば間違いない」と思ってもらえる魚屋を目指しています。「魚は調理が難しい」と感じている人にも、自然と手に取ってもらえるよう工夫を重ねているそうです。

変わらない“鮮度”と“信頼”
「魚離れ」と言われる時代の中で、魚力は魚をもっと身近に感じてもらうことを目指しています。「お客様に“魚力の魚なら安心”と思ってもらえるよう、鮮度と信頼を守り続けています」と小林さん。商品が並ぶまでの工程すべてに目を配り、どんな小さな妥協も許さない。それが府中店の強みです。
府中という街に根ざし、食卓の中心に季節を届ける魚力ミッテン府中店。「魚がある食卓を、もっと楽しく、もっと身近に。」その思いが、今日も店先の氷の上で輝く魚たちに込められています。
取材あとがき
小林さんの言葉には、「魚を売る」以上に「食卓を支える」誇りがにじんでいました。季節感を大切にし、地域の人と顔を合わせて魚を届ける姿は、まさに“府中の魚屋”そのもの。スーパーともレストランとも違う、暮らしの中の温かさがここにはあります。その日の魚が、その日の会話を生み、明日の食卓へとつながっていく。魚力ミッテン府中店は、そんな小さな物語が毎日生まれる場所です。

店舗情報
魚力 ミッテン府中店
営業時間:10:00〜21:00
定休日:施設休館日に準ずる
住所:〒183-0023 東京都府中市宮町1-41-2 ミッテン府中 地下1階
文:吉澤 創(東京外国語大学)
写真:本間 美実子(東京農工大学)
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