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府中に息づくお店探訪 「天地米店」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。府中には地域に息づくお店たちが創り出す魅力やエネルギーが溢れている。彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを創る上で欠かすことのできない存在だ。
そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


大正13年創業の老舗「天地米店」(新二商店会)

今回紹介するのは、京王線府中駅南口から徒歩約4分の場所にあるお米屋さん「天地米店」さん。府中駅南口から「くるる」を過ぎた角を左折し、小金井街道に面する場所にお店を構え、「米」と大きく書かれた暖簾がお客様を迎え入れてくれる。
創業は大正13年。現在の店主の祖父が開業した老舗の米店である。インタビュー当日は、「五ツ星お米マイスター」の資格を持つ三代目店主の小澤量さんから、お話を聞かせていただいた。

 

屋号の由来

小澤さんにお店の歴史について伺った。

-(小澤)

創業は大正13年になります。屋号は、昭和の初め頃まで現在の東京競馬場の前を流れていた根岸川(ねいし川)では水車を回してお米を搗いたり粉を挽いたりしていました。その水車小屋の上の山が天神山、小屋のあたりが天神下と呼ばれ、それが転じて「てんぢした→てんぢ→てんち」と呼ばれていたことから屋号がつけられました。

 

五ツ星お米マイスターが厳選したお米たち

前述のとおり、小澤さんは五ツ星お米マイスターという資格を持っている。五ツ星お米マイスターとはどのような資格なのか。また、そのマイスターが選ぶこだわりのお米について教えていただいた。

-(小澤)

五ツ星お米マイスターというのは、全国米穀小売商業組合連合会で実施している認定資格で、お米の品種の特性、栽培方法、保存と保管技術、精米・炊飯技術などのプロフェッショナルのことを言います。
当店では約30種類のお米を扱っています。各地に様々な米がありますが、私自身が味、香り、品質などを確かめながら、生産者や他店からの情報、お客様からの声を大切にして農家さんから直接仕入れています。お客様においしい米を食べてもらいたいという思いを込めて、収穫過程で混入してしまう小石や状態の良くない米を選別した上で丁寧に精米し、確かな品質で安定した米を提供することにこだわりを持って作業しています。
また店頭に並べるときはお客様が好みで選ぶことができるよう、それぞれに米の特長のほか生産者、農地、農法などをわかりやすく表示しています。

 

時代とともに変化したお米の流通事情と専門店に求められる価値

府中でお米を販売していて感じる時代の変化について伺った。

-(小澤)

府中は年々人口が増えています。人口増加に伴い米の消費量は高まっているとは思います。ただ、今やスーパーなどの量販店やネットショッピングなどでお米が買え、各家庭にお米屋さんが配達し、御用聞きができない時代となりましたので、かつての販売量と同じ、とはいかないですし、それは仕方がないことです。
一方で、専門店だからこそ確かな目で米を生産者から仕入れてお客様においしい米を提供できる価値や、その過程にかかるコストを認識していただくお客様も多く、市内以外にも多摩市・稲城市・国分寺市、東村山市、遠くは山梨県北斗市などからお越しいただいています。
これからも専門店だからこそお届けできる価値というのをお客様に提供できればと思います。

 

お客様の声がなによりの喜び

最後に、小澤さんが感じるやりがいとお米の楽しみ方について伺った。

-(小澤)

やりがいは、やはりお客様に喜んでもらえることですね。また、米に対する生の声が聞けること、おいしいものがわかる方に出会えることですね。どなたかの口伝えで「ここのお米はおいしいって聞いたから来てみた。」とお客様から聞くこともあり、嬉しい限りです。
皆さんにはいろいろな米を先入観なしで食べていただきたい。その中で自分の好みに合った米を選んでもらえたらと思います。また、米の保管方法や炊飯方法など、ここでしかわからない情報もありますので、気軽にお立ち寄りいただき聞いてください。

 


【プロフィール】
小澤 量/五ツ星お米マイスター。店頭には厳選された約30種類のお米が並ぶ。「いろいろな米を先入観なしで食べていただきたい。気軽にお立ち寄りください。」

【店舗情報】
天地米店/新二商店会
所在地:府中市宮町1-34-14 デュオ府中101
電話:042-361-2511
定休日:日曜日
営業時間:9:00~19:00


府中に息づくお店探訪 「増田生花店」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。府中には地域に息づくお店たちが創り出す魅力やエネルギーが溢れている。彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを創る上で欠かすことのできない存在だ。
そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


豊かな色彩の花で溢れる「増田生花店」(宮西国際通り商店会)

今回紹介するのは、大正10年創業のお花屋さん「増田生花店」。京王線府中駅からけやき並木を渡ったところから始まる「宮西国際通り商店会」を直進して3分のところにあり、店を入るととても良い香りと色とりどりの花が迎えてくれる。現在、三代目店主を務める増田卓史さんに、お店のこだわりや地域との関わりについてなど、お話を聞かせていただいた。

 

店内を彩る花の競演

増田さんにお店のこだわりについて伺った。

-(増田)

社長はもともと花が好きな人で、多くの種類や色彩豊かな花を揃えるようにしています。当店のこだわりの一つと言えるでしょう。

店内にはひときわ目を引く胡蝶蘭や仏花をはじめ、普段の生活ではあまり見る機会のない種類の花が並んでおり、その豊かな色彩たちは店先からでも目を引くほど鮮やかだった。

 

地域に根差し、繋がり、愛される

どのような方が花を買いに来られるのか伺った。

-(増田)

初めてご来店いただく方から、長くお付き合いいただいている方まで幅広い年齢、性別の方々にお越しいただいています。また、この商店街は飲食店が多いことが特徴で、夜から営業を始めるお店は装飾花をその日の夕方にご注文いただくこともあり、そうなると店はさらに活気を増します。
配達では市民聖苑や市内にある複数のお寺さんからに収めることが多いです。市内の施設に配達できることは、地域との繋がりやコミュニケーションを持つことができるので、ありがたいです。

 

増えた生花店。お花選びがわからなくても

増田生花店は大正10年から始まり、増田さんで3代目。長い経営の中で感じる変化について伺った。

-(増田)

市内に生花店が増えました。まちや家庭に花がある風景はとても良いことです。生花店は増えた一方、花束を買いたいけど注文の仕方がわからないという方が増えています。特に若い方に多い印象ですが、わからなくてもまったく構いません。気軽に相談していただければと思います。こちらから用途を確認するようにしています。具体的には、お買い上げいただく花束がどのような目的で、どのような方に差し上げるのか。また、その方のイメージなど、お伺いして選ばせていただきます。

 

人の輪を広げることが、まちづくりの原点

最後に、増田さんが生花店を通して感じるまちづくりの大切さについて伺った。

-(増田)

花屋はお客さんと話す機会が多くあります。例えば目的に応じて花の種類やラッピングの仕方などはこちらから聞くこともありますし、花の育て方や花の種類、などの相談や質問を受けることもあります。その会話のキャッチボールを大事にしてお客さんと良好なコミュニケーションをつくることを心がけています。店を出るときに感謝されたり、配達途中でお客さんと挨拶や会話ができたりすることが、私たちのやりがいにつながるし、人づくりが良いまちをつくるものと感じています。

 


【プロフィール】
増田 卓史/日々の生活から人生の大切な場面に、ぜひ花をそばに置いてみてください。私たちがお手伝いしますので、お気軽にお立ち寄りください。

【店舗情報】
増田生花店/宮西国際通り商店会
所在地:府中市宮西町1-17-2
電話:042-361-7964
定休日なし
営業時間:9:00~19:00(土、祝祭日は18:00まで)


府中に息づくお店探訪 「Cafe Bar load(カフェバル・ロード)」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。

また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。

府中には地域に息づくお店たちが作り出す魅力やエネルギーで溢れている。

彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを作る上で欠かすことのできない存在だ。

そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


味わい深いコーヒー「Cafe Bar load(カフェバル・ロード)」(府中駅東口商店会)

今回紹介するのは京王線府中駅から徒歩3分、コーヒーの深い香りと落ち着いた雰囲気が漂う「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。

注文を受けてからコーヒー豆を挽いてサイホンで淹れる本格的なコーヒーを味わうことができるこのお店は、長年「カフェ・ド・クロワッサン」として市民に親しまれてきたが、営業時間を延長し夜も食事やお酒を提供することに伴い2017年12月3日に店名を「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」に改めオープンした。

店主の榎本さんにお店を始めたきっかけやこだわり、まちとのつながりについてお話を伺った。

(本記事は東京農工大学地域パートナーシップ論の受講学生さんのご協力のもと作成しています。)

 

大好きだった喫茶店。いつかは自分のお店をと夢見ていた。

元々は別の仕事をしていたという榎本さん。いつかは喫茶店を経営したいと思いが叶い、店を引き継いだという。

―(榎本)

昔ながらの喫茶店が若い頃から好きで、老後に自分の喫茶店を経営したいと思っていました。若い頃はアルバイトなどで経験を積んだりして、別の仕事に就いた後も色々と勉強はしてきたんです。

カフェ・ド・クロワッサンの創業は1989年(平成元年)ですが、私は2年前に店主になりました。このお仕事とお店は私にとって大切な場所になっています。

 

おすすめはこだわりのコーヒーとミックスサンド

榎本さんにおすすめのメニューを伺った。

―(榎本)

イートメニューだとミックスサンドは人気があって、テイクアウトでご注文いただくこともあります。他にもランチタイムには生姜焼きや日替わりランチがよくでます。

それとコーヒーは昔ながらの淹れ方にこだわっています。ご注文をいただいてから豆を挽いて淹れていますので、味も香りも楽しんでいただけると思います。

昔ながらの淹れ方なので濃く感じる方もいらっしゃるかと思いますが、ケーキなどの甘いものやミルクととても相性がいいので、ぜひご一緒にお召し上がりください。

 

やり方が少し違うだけで味も香りも変わると言われる繊細なコーヒー。榎本さんは取材に答えながらも淹れる工程を素早く正確にこなしていた。

 

夜も食事とお酒が楽しめる場所に

12月より営業時間を延ばし夜の食事やお酒が楽しめるようになった「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。新たなサービスへの意気込みについて伺った。

―(榎本)

女性が仕事帰りに一人で立ち寄って、御食事やお酒を楽しめる場所を提供したいと考えて、夜の営業時間を延長しました。お客様にゆっくり過ごしていただけるだけでなく、一人暮らしの年配の方が夕食をテイクアウトして行ったりと、夜営業することの意義を感じています。

 

地域の憩いの場、活動の場、若者がチャレンジできる場として

取材中も多くのお客さんが訪れ、地域の憩いの場となっている「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。榎本さんは商店会で開催されるお祭りへの参加だけでなく、カフェを教室として貸し出すなど地域の方々へ活動の場としてお店を提供している。そんな榎本さんに地域とのつながりついて伺った。

―(榎本)

再開発の影響もあって、まちの様子は変わったなあと感じることもあります。それに伴って人とのつながりという面でも昔と比べ寂しさを感じることもあります。

それでも常連のお客様をはじめ、多くのお客様がこのお店をご利用いただいて、少しでも皆さんの居場所、憩いの場となっていればいいなと思っています。

ここは自分で何か教室やレッスンなどを開きたい方に貸し切りで場所を提供しています。活動の場としてもご利用いただければと思っています。

特に、若い人たちが新しいことにチャレンジしたり、学んだりする場として活用できるように、音楽ライブや料理教室、勉強会といったことをしたいという若い方にはここを無料でお貸ししています。

若い人が一歩前に進むのを後押ししたいんです。

 

お店はお客様の居場所であり、自分の居場所

榎本さんにお店をやっていて良かったことを聞くと、自信に満ち溢れた表情でこう答えてくれた。

―(榎本)

自分でお店をやっているとまず定年がないことです(笑)。企業のように組織に属していないので責任は増しますが、仕事と家庭のバランスや距離感を取りやすいと思います。

なによりお客様との会話が楽しいですし、お客様に居場所を提供しつつ実はこのお店は自分自身の居場所でもあります。

将来的にはコーヒーの淹れ方教室なんかもやろうかな、なんて思っています。

 

榎本さんが親しくなったお客様同士をご紹介することで、新たな出会いの場にもなっている「Cafe Bar load (カフェバル・ロード)」。これからも人と人をつなぎ、みんなの居場所となっていくだろう。

 

 ※取材は2017年7月・12月に行われました。

【取材:東京農工大学2年 五十嵐爽子、猪越翔大、小野満陽光、山口裕理(五十音順)】


【プロフィール】

榎本ひとみ/昔ながらの喫茶店が大好き。こだわりのコーヒーは注文を受けてから豆を挽く本格派。お店はお客様にとっても自分にとっても大切な場所。

 

【店舗情報】

「Cafe Bar load(カフェバル・ロード)」/府中駅東口商店会

所在地:府中市府中町2-7-1 イーストビル1F

電話:042-360-9603

不定休

営業時間:8:30~24:00

 


府中に息づくお店探訪 「きもの処吉田」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。

また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。

府中には地域に息づくお店たちが作り出す魅力やエネルギーで溢れている。

彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを作る上で欠かすことのできない存在だ。

そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


本物の”着物と帯”と出会える「きもの処 吉田」(フォーリステナント会)

今回紹介するのは京王線府中駅南口から徒歩1分、大型商業施設フォーリスの2階にお店を構える「きもの処 吉田」。

創業70年以上の歴史を持ち、職人の手で丁寧に染められ刺繍が施された‘本物の着物と帯’を扱う呉服店だ。

そんな「きもの処 吉田」の2代目店主である吉田定さんにお店の歴史やお仕事、まちとのつながりについてお話を聞かせていただいた。

(本記事は東京農工大学地域パートナーシップ論受講生のご協力のもと作成しています。)

 

創業73年。個人商店から商業ビルのテナントへ

創業当初は個人商店として複数のお店を多角的に経営していたと語る吉田さん。府中の駅前再開発事業の一環としてフォーリスが開業したのは1996年(平成8年)。同時に現在の場所に移転したという。

お店の創業から移転まで、その歴史と経緯についてお話していただいた。

―(吉田)

先代がお店を始めたのが1948年(昭和23年)ですから、創業70年以上になります。私で2代目です。当初は呉服以外に飲食店なども経営しており、全部で3店舗ありました。

フォーリスは元々、府中の街の将来像を考え、地元に昔からあった様々なお店が協力して作った施設です。うちはその計画に当初から関わっていて、フォーリスの完成と同時に入りました。その時に3店舗経営していたものを呉服店のみに絞りました。

 

本物に触れてほしい

吉田さんは‘本物’という言葉で、お店で取り扱う着物や帯へのこだわりを語ってくれた。

―(吉田)

最近ではインクジェットの安い着物や帯が多くなりました。ただ、うちでは職人さんが一枚一枚染め、刺繍を施した‘本物の着物と帯’を取り扱っています。

もちろんインクジェット生地と比べて値段は高くなりますが、その分良質で長持ちする本物の着物です。来てくださるお客様にはできるだけ良質なものに触れてほしいと思っています。

 

地元商店だからこそ府中らしさを

長年府中でお店を経営されてきた吉田さん。まちや市民とお仕事を通したふれあいについてお話してくださった。また、まちの変化についても感じることがあるようだ。

―(吉田)

府中は大國魂神社があるため、七五三、成人式、結婚式などの催し事で着物を着る機会が比較的多く、それで来店される方も多いですね。お店としては、地元の盛り上がりに少しでも貢献できればと、くらやみ祭り(毎年5月5日を中心に行われる大國魂神社の例大祭)や8月の商工まつり(ミス府中コンテストへの協賛)にも参加しています。

府中もだいぶ変わりました。昔は飲み屋さんなどが多く、地元のサラリーマンや競馬場に来る人で賑わっていて、駅前は毎日夜中までお祭りのようでした。今は再開発が進んだこともあってか、駅周りにはたくさんの商業施設ができて、綺麗なまちになった一方で、昔からの府中らしさが薄れてきていると感じることもあります。それでも我々のような地元に定着したお店がこれからも頑張って、府中らしさを出していけたらいいなと思います。

 

美しい着物をお客様に

最後に呉服店としてのやりがいやこれからについて伺った。

―(吉田)

まず着物というのはとても美しいもので、それを扱うことに喜びを感じます。また、生地を合わせ、仕立て、お客様に納めた時に喜んでくれる顔を見るのはとてもうれしいです。

先ほども述べましたが、最近はインクジェットの着物が多くなり、着物に対しての知識やこだわりというのは薄れつつあります。手軽さも大切ですが、着物というのは本来ならば財産の一つであり、人生の節目の時にきっちり着るものでもあってほしいです。

人生の節目というのは様々あると思いますので若い方にはぜひ、成人式や浴衣だけでなく、もっとご利用頂けたらいいなと思っています。

 

【取材:東京農工大学2年 勾坂光希、菅原衣織、廣山晃也、渡邊真由(五十音順)】


【プロフィール】

吉田 定/創業73年呉服店の2代目。職人の手で丁寧に創られた‘本物の着物や帯’を扱うことがこだわり。

 

【店舗情報】

きもの処 吉田/フォーリステナント会

HP:http://www.kimonodokoroyoshida.com/

所在地:府中市宮町1-41-1 フォーリス2階

電話番号:042-366-5298

定休日:フォーリス専門店街の定休日に準ずる

営業時間:10:00~20:00

 


府中に息づくお店探訪 「アトリエ77」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。

また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。

府中には地域に息づくお店たちが作り出す魅力やエネルギーで溢れている。

彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを作る上で欠かすことのできない存在だ。

そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


鳥瞰図の美しさに圧倒される「アトリエ77」(本町商店会)

今回紹介するのはJR府中本町駅から徒歩1分、鳥瞰図(ちょうかんず)を扱うお店「アトリエ77」。

店内には、店主である村松昭さんが細部まで丁寧に描き上げた美しい鳥瞰図が並んでいる。その光景は圧巻の一言だ。

鳥瞰図に情熱を注ぐ村松さんから鳥瞰図を扱うきっかけや制作工程、その魅力について伺った。また、終戦当時から府中に住んでいる村松さんが感じるまちの移り変わりについてもお話を聞かせていただいた。

(本記事は東京農工大学地域パートナーシップ論の受講学生さんのご協力のもと作成しています。)

 

 

制作期間は1年以上。鳥瞰図とは?

先ほどから記している鳥瞰図だが、なかなか聞き慣れない方もいらっしゃるのではないだろうか。そこで、まず村松さんに鳥瞰図とはどのようなものか、さらにその制作工程について伺った。

―(村松)

鳥瞰図は、地形を上空からとらえた立体的な地図です。私の作っている鳥瞰図には、その土地の名物や鳥などのイラストも地図上に散りばめています。

工程は、アトリエでの作業と実際にその土地に行っての作業が必要です。

まず、1/25000の地形図を見て立体感を思い描き、鳥瞰図に描き起こします。その後、何回か現地に行って確認しながら精密さを出していきます。1枚作るのにだいたい1年くらいかかりますね。

 

 

1枚の手紙からスタート

鳥瞰図を始めたきっかけはふとしたことだったという。お店の創業と現在の様子についてもお話していただいた。

―(村松)

最初に描いたのは深大寺(調布市の天台宗別格本山)の鳥瞰図でした。深大寺に引っ越した際、知人への転居のお知らせの手紙に近隣の鳥瞰図を描いたのが始まりです。

お店を始める前は絵とデザインの関係の仕事をしていて、1977年にこの店を開きました。創業年が店名の由来になっています。

お客様は地図、写真、スケッチ、釣り、ウォーキングなどが趣味の方がよくいらっしゃいます。鳥瞰図専門のお店は珍しいので、テレビで取り上げて頂いたこともあってか、それをご覧になった方も来てくださいます。

 

村松さんイチオシの鳥瞰図

村松さんの鳥瞰図の入手方法とイチオシ鳥瞰図を教えていただいた。

―(村松)

アトリエにお越し頂けない方でも、偕成社から地図絵本が販売されていますので、それは書店などに流通しています。あとはamazonなどでも取り扱いがあるのでご覧いただければと思います。イチオシの鳥瞰図は、利根川と屋久島ですね。

 

 

終戦から府中を見続けて

終戦から府中に住み、まちを見続けてきた村松さん。本町商店会やお店周辺の街並みや地域行事の変化について語ってくれた。

―(村松)

昔は旧甲州街道が今より栄えていましたね。本町商店会も昔に比べだいぶお店は減りました。くらやみ祭り(毎年5月5日を中心に行われる大國魂神社の例大祭)の客層も変わりましたね。

今は少なくなりましたが、昔は苗木を買いに来る稲城の人が結構いました。でもお祭りの認知度はだいぶ上がったおかげなのか、お客さん自体は増えていると感じます。

あと、くらやみ祭りで本町商店会は子供たちがお囃子をするんですよ。お祭りを通して、新しく地域に引っ越してきた方を受け入れていく良い雰囲気があると思います。

 

 

鳥瞰図に込められた想いとこれから

これだけ手間と時間を要する鳥瞰図。村松さんはなぜ普通の地図ではなく鳥瞰図なのか。

―(村松)

山歩きが好きな中高年向けに、見やすい地図を作ろうというのが目的です。ただの地形図より立体的に描いてある分、見やすいでしょう。山や川を取り上げた地図が多いのですが、私自身ももともと山が好きですし、最近は川歩きをするので川をテーマに描いています。

今後、お店をこうしたいということは時にありませんけど、描ける間は鳥瞰図を描き続けたいですね。

 

※取材は2017年7月に行われました。

【取材:東京農工大学2年 片寄涼介、郷朝紀、佐藤優希、中村菜緒(五十音順)】


 

【プロフィール】

村松 昭/制作にかかる期間は1年以上。鳥瞰図に時間と手間と情熱を注ぐ。細部まで丁寧に描かれた鳥瞰図の美しさはまさに職人のなせる技。

 

【店舗情報】

アトリエ77/本町商店会

HP:http://www2.odn.ne.jp/~cdf21010/index.html

所在地:府中市本町1-7-2

電話番号:042-364-4441

定休日:不定休

営業時間:9:00~19:00頃


府中に息づくお店探訪 「小ますや」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。

また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。

府中には地域に息づくお店たちが作り出す魅力やエネルギーで溢れている。

彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを作る上で欠かすことのできない存在だ。

そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


素朴な味わいが人気「小ますや」(くるる出店者協議会)

今回紹介するのは京王線府中駅南口に直結した商業ビル「くるる」にお店を構える「小ますや」。

「小ますや」は素朴な味わいの稲荷寿司、海苔巻きなどが人気のお店。

インタビュー当日は店主である小林幸則さんがご不在であったため、共に働いていらっしゃるご姉妹の志摩昭子さん、庄司洋子さん、河合明美さんにお店の歴史やお仕事、まちとのつながりについてお話を聞かせていただいた。

(本記事は東京農工大学地域パートナーシップ論の受講学生さんのご協力のもと作成しています。)

 

創業者の母に由来した店名。小ますやの歴史

「小ますや」は1962年(昭和37年)に現在の店主である小林さんのお母様が創業。店名の由来や歴史について語ってくれた。

― 母の名前が「小林ます」だったので、ご近所の方がそこから名前を付けてくださいました。実は包装紙もその方が考えて下さったものを今でも使っています。くるるが建つ以前は同じ場所に店を構えていました。建設工事の間は高架下で数年営業をして、完成後にくるるに入店しました。

 

一番人気は詰め合わせセット

ご姉妹におすすめの商品を教えてもらった。

- 一番人気は、太巻き、海苔巻き、稲荷寿司の詰め合わせですね。また、おはぎも人気でよく売り切れます。店の味を気に入って下さる方が、リピーターとなって来ていただいています。

 

受け継がれる味と地域とのつながり

包装紙のお話からも伝わるように、初代店主のますさんは地域とのつながりをとても大切にされていたそうだ。

― お米は昔から府中の紅葉丘にあるお米屋さんから仕入れています。夏の商工まつりにも何度か出店したことがありますし、移転前は府中競馬場で働く方のために早く開店することもありました。これからも地域の方々とのつながりを大切にしていきたいです。

 

家族経営の団結力で

現在、小ますやに後継者はいない。それでもお三方は明るくこう語ってくれる。

― 今はサラリーマンの方がお弁当を買ってくださったり、学生さんがおはぎを買ってくださったり様々なお客様が来てくださいます。府中に里帰りした方が昔を懐かしんで買ってくださる方もいるので、元気に店を開けていきたいです。

小ますやはこれからも府中で愛され続けていく。

 

 ※取材は2017年7月に行われました。

【取材:東京農工大学2年 小林駿介、佐藤裕子、豊田琴美、西岡美都(五十音順)】


 

【プロフィール】

(左から)志摩昭子、庄司洋子、河合明美/小ますやの三姉妹。人気商品は太巻き、海苔巻き、稲荷の詰め合わせです。おすすめは全品です!

 

【店舗情報】

「小ますや」/くるる出店者協議会

所在地:府中市宮町1-50 くるる1F

電話/FAX:042-361-3213

年中無休

営業時間:平日9:00~19:00、土日8:00~19:00


府中に息づくお店探訪「駄駄羅亭」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。

また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。

府中には地域に息づくお店たちが作り出す魅力やエネルギーで溢れている。

彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを作る上で欠かすことのできない存在だ。

そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


懐かしさ漂う「昭和居酒屋 駄駄羅亭」(府中銀座商店会)

今回紹介するのは京王線府中駅南口から徒歩1分、柳通りにお店を構える居酒屋「駄駄羅亭」。昭和の雰囲気が漂い、気さくな店主が常連さんとともに迎えてくれる。

そんなどこか懐かしい居酒屋「駄駄羅亭」の店主である佐藤敬介さんからお店を始めたきっかけ、まちとのつながり、さらにはおすすめメニューなどについてお話を聞かせていただいた。

(本記事は東京農工大学地域パートナーシップ論の受講学生さんのご協力のもと作成しています。)

 

“だだら”に楽しくお店を切り盛り

佐藤さんにお店を始めたきっかけ、店名の由来について語っていただいた。

―(佐藤)

駄駄羅亭は15年前、私が44歳の時に始めました。もともとは母が居酒屋を切り盛りしていたのを引き継ぎました。その際に屋号を「駄駄羅亭」に改めたんです。

“だだら“は「好き勝手に、好きなように」という意味があって、店のモットーでもあるんですよ。店内に飾ってある昭和30年代を中心としたウルトラマンなどのキャラクターグッズやゴジラなどのポスターも私の好きなものなんです。定休日が不定期なのも“だだら“です(笑)。

お客様は常連さんが多いですが、府中競馬場から流れて来る人や皆さん(インタビュアーの農工大生のことを見て)の先生も来てくれますよ。バイトで農工大生さんが来てくれていたこともあります。

昔から大好きな府中で仕事ができるのは楽しいですね。

 

 

駄駄羅亭おすすめメニュー

佐藤さん一押しのメニューを伺った。

―(佐藤)

おすすめは「豆腐のお好み焼き」ですね!

このメニューは料理マンガを参考に考案したんですよ。味はお好み焼きがベースにあるんですけど、豆腐は焼かずに揚げているので食感も楽しめると思います。

お客様のリクエストに応えることもあります。ウチのメニューに揚げなすがあるんですが、焼いてほしいと言われ焼きなすをお出ししたことがあります。

お客様との交流はできるだけ大切にしていきたいですね。

 

 

変わりゆくまちと交流

地域活動にも積極的な佐藤さん。まちの姿だけでなく祭りなどの市民との交流の場にも変化を感じているようだ。

―(佐藤)

お祭りや火の用心の声かけなど自治会での活動に参加していますが、昔に比べると商店街のお祭りなどは少なくなっている気がします。

昔は商店街ごとに様々なお祭りがあって、ゆかた祭りや風船祭りが行われていて、私もテントを張ったりビールを売ったりしました。今はよさこい祭り(けやきフェスタ よさこい in 府中)と同日開催になっています。

よさこいは私もお手伝いしていますし、たくさんの方に来てもらいたいですね。形や規模は変わってもお祭りに関わるのはとても楽しいですよ。

 

 

自分のため、お客様のため、地域のため

最後に佐藤さんと駄駄羅亭のこれからについて伺った。

―(佐藤)

これからも“だだら”の名の通り、自分が楽しむことを忘れず、地域のため、お客様のために頑張っていきたいです。

もうすぐ開店15周年なので、お客様に何か還元できるような企画をやりたいと思っています。ぜひ一度食べに来てください。

 

※取材は2017年7月に行われました。

【取材:東京農工大学2年 平良菜々海、樋口成実、松吉悦資、向井雄紀(五十音順)】


 

【プロフィール】

佐藤 敬介/昭和な雰囲気漂う駄駄羅亭の気さくな店主。モットーの“だだら“=「好き勝手に、好きなように」がそのまま店名になっている。

 

【店舗情報】

「駄駄羅亭」/府中銀座商店会

所在地:府中市宮町1-11-8

電話番号:042-366-9177

定休日:不定期

営業時間:昼11:30~14:00、夜17:00~24:00


府中に息づくお店探訪「サイクルショップ セキ」

府中駅南口は再開発により大型商業施設が立ち並ぶ。その一方で周辺には様々な商店街があり、そこには地域密着型のお店が数多く存在する。

また、大型商業施設の中にも昔ながらのお店が移転し経営を続けているものもある。

府中には地域に息づくお店たちが作り出す魅力やエネルギーで溢れている。

彼らは府中を盛り上げ、魅力あるまちを作る上で欠かすことのできない存在だ。

そんな素敵なお店を訪れ、働く方々から仕事への思い、府中への思いを聞いてきた。


口下手だけど仕事はバッチリ「サイクルショップ セキ」(府中駅北口商店会)

今回紹介するのは京王線府中駅北口から桜通りへ徒歩およそ5分。ルミエール府中(府中市中央図書館をはじめとした複合施設)の向かいにある「サイクルショップ セキ」。

店主である関一成さんからお店の歴史やお仕事、まちとのつながりについてお話を聞かせていただいた。

(本記事は東京農工大学地域パートナーシップ論の受講学生さんのご協力のもと作成しています。)

 

創業87年。移転、そして現在の場所へ

「サイクルショップ セキ」では自転車の販売だけでなく修理点検を行っており、その歴史は長く1931年(昭和6年)創業で80年以上3代続く歴史を持つ。

府中では1991年(平成3年)頃から駅前の立体交差事業や区画整理、再開発事業が進められるようになった。再開発により整備された商業施設には以前よりあったお店も存在するが、サイクルショップセキは1993年(平成5年)に現在の場所に移転し営業を続けている。

店先から府中の街の変化を見守り続けてきた関さん。

―(関)

 現在の場所に移転した後、市の市民会館が2007年(平成19年)にルミエール府中へと建替わり、桜通り沿いも多くの人が集まるようになりました。農工大の学生さんも良く来てくださいます。

 

 

お客さんとの「ふれあい」が面白い

関さんは仕事の魅力についてこう語る。

―(関)

今ではお客さんの要望に合わせて出張サービスを行ったり、最近では企業、大学からの修理依頼を請け負ったりしています。

他にも来店される方など仕事を通してお客さんとふれあうことが面白いです。

常連のお客さんの中には、わざわざ遠くから来てくれる方や毎年点検に来てくれる方もいます。自転車はメンテナンスをすれば、長く使えるものなので大切に使ってくださると嬉しいです。

 

 

地域行事には積極的に参加

関さんは地域の一員としてお祭りなどの地域行事へ積極的に関わっている。

―(関)

毎年くらやみ祭り(大國魂神社で行われる最大の例大祭)のお手伝いをしています。現在は役員として関わっており、開催時には店を閉めてお祭りに専念しています。

 

 

丁寧な仕事がお客さんを惹きつける

「仕事を丁寧に」がモットーだと語ってくれた関さん。

お客さんからは「口下手だけど仕事はバッチリ」、「修理箇所以外にも点検修理してくれる心遣いがうれしい」との声が聞けた。

地域に愛されるサイクルショップとしてこれからも府中を活気づけてくれるだろう。

 

※取材は2017年7月に行われました。

【取材:東京農工大学2年 鈴木美緒、田中智大、田中真子、山内康平(五十音順)】


 

【プロフィール】

関 一成 / 1931年創業サイクルショップの3代目。モットーは「仕事を丁寧に」。確かな技術が信頼され、遠方から足を運ぶお客さんも。

 

【店舗情報】

「サイクルショップ セキ」/府中駅北口商店会

所在地:府中市府中町2-21-10

電話番号:042-361-3675

定休日:水曜日

営業時間:9:30~19:00