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【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「カフェ オレンジブーツ」

※緊急事態宣言及びGOTO商店街事業一時停止延長に伴う国からの要請に従い、店舗内等で行うまちゼミについては中止となりました。
 Zoomを使ったオンラインまちゼミは予定通り実施いたします。
オレンジブーツさんの講座は、26番「己書で楽しく想いのままに文字を描いてみませんか?」がオンラインに以降して開講されます
【オンラインでの開講講座一覧はこちら】

このコラムは「第3回むさし府中まちゼミ」の講師となる方への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。
取材を行ったのは、府中に関わる学生を中心とした若者達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2020年12月の取材に基づき作成されました。


 

府中駅から徒歩3分ほどのところにある、駅ビル「ルシーニュ」の府中市市民活動センタープラッツのある5階に登ると今回取材をした「オレンジブーツ」のお店が見えてきます。明るく落ち着いた雰囲気のなか、府中市の食材はもちろんのこと、府中市の姉妹都市である長野県の佐久穂町、オーストリアのウィーンから届けられる食材も楽しめるお店になっています。また、普段から多くのワークショップやセミナーを開催していて、様々な世代の方や多くの方の交流の場所にもなっています。

今回は、そんなカフェで働く店員の小林さんと、「第3回むさし府中まちゼミ」で普段の書道とは少し変わった「己書」の講師を務める津布久さんのお二人にお話しを伺いました。

左:津布久さん 右:小林さん

ミツバチの花粉が付いた足

「オレンジブーツ」というのは、「ミツバチの花粉が付いた足。」のこと。ミツバチが色々な花に飛んで行って、ミツや花粉を集めてくるように、府中市をはじめに府中市と関連のある姉妹都市から良い食材を集めてお客様に提供していきたい、といった想いが込められています。今は府中産のものだと卵、食材として一番多いのが姉妹都市の一つの長野県の佐久穂町からのものです。

お店に野菜を定期便で、旬のものを送ってもらっていて、野菜が沢山食べられることもこのお店の特徴です。メニューには人気なものとしてサーモンとアボカドのサンドイッチ、オムレツとハムのサンドイッチなどがありそのなかのハムとサーモンは佐久穂町からの食材を使っています。

他にも、佐久穂町のお味噌はおにぎりやドレッシング、甘酒ではスムージーとして提供しています。また、お店で出しているリンゴジュースのシードルは「美味しい!」と買って帰る方も多くいます。

ひだまりのような場所にしたい

私自身としては今年の4月に入社して、新型コロナウイルスの影響もあって5月からこのオレンジブーツで働いています。
お店のこだわりとしては、料理を提供するカフェだけでなく、人が集まるような場所にもしていきたい、という想いも持っています。
府中市の市民活動センターのなかにある飲食店ということで中市民のコミュニティの場にしていきたいという想いから、カフェ内で様々なワークショップやセミナーも開催しています。
これまで開催されてきたワークショップで作ったツリーや、今回のまちゼミで講座をする津布久さんの書いた己書のポストカードもお店のなかに飾ってあります。

 

小林さんにお話しを伺う中で、通りがかったオレンジブーツを運営するサニーワークス株式会社の社長である横須賀さんからは「ワークショップで提供する情報と、カフェで出す食事や飲み物をハブにしていろいろな人が集まってくれるといいですね。」ともお話してくださりました。

府中市の中で、府中市と関わりのある場所から集めた食材を使ったメニュー、また様々な人が集まるあたたかい場所、陽だまりのようなお店にしていきたい、といった想いを聞くことができました。

自分だけのおのれの書

己書はそのままの字のごとく、「自分だけの書」といった意味が込められています。講座では、お題として同じものを書いてもらいますが、そのなかでも人それぞれの癖や性格から書きあがった時には、みなさんちょっとずつ違います。それは、間違いとかではなく「個性」。今の自分がありのままの姿で書いたものとして、世界に一つの自分だけの「おのれの書」が己書です。

今回のまちゼミで行う講座では、初めて参加される方も描きやすいように、簡単な一文字などで何個か書いてもらいます。そして最後には書きあがったものをみなさんで見合って、それぞれの違いを楽しんでもらおうと思っています。

己書の出会いと、二人の出会い

子育てがひと段落ついて自分の趣味を探したいと思った時に、もともと和なものが好きだったこともあり、やるならば書道がやりたいと思っていました。それでも、がちがちの書道教室のイメージではなく、手軽に楽しめるものを探していた中で、たまたま己書のチラシを見つけたのがきっかけです。

そこからは、どんどんはまってしまい、自分もこの楽しさを伝えたいと思い師範の資格を取りました。やってみるとすごく楽しいということを実体験として持っているので、みなさんにもきっと楽しんでもらえると思っています。

そして、どこで初めて講座を開こうか考えた時に、知っている人がいないような場所でチャレンジしたいと思って探していました。そんな時に、府中駅で降りてオレンジブーツに来た時に「おっ」と思って、突撃で小林さんに声をかけさせてもらいました。「ぜひ講座をやりたい。」と話すと、快くいいですよ、と受け入れてもらえたのが、オレンジブーツで講座を開くきっかけになっています。今回のまちゼミでは己書のこと、このお店で講座を開けることも知ってもらいたいと思っています。

―小林さん 今のコロナの状況のなかでも、津布久さんご自身から「やりたいです」って来てくれたのは嬉しかったですね。お店の中でそういった講座を開いて、参加しているみなさんが集中している姿は、見ていても楽しいです。お店に来て心も体も元気になってもらいたいですね。

筆ペン2本とちょっとのコツ

「一見、難しそうに思えるけど、実際に書いてみると意外と書けた!」とちょっとしたコツと筆ペン2本があれば、いい感じに描けたように見えること、子どもからお年寄りの方まで、みなさん気軽に楽しんでもらえることが魅力です。

また、集中する時間は大人になるほどなくなってしまいますが、普段の講座では90分、まちゼミの講座の1時間は、ふっと自分だけの世界に入れる時間を作ることができる事も魅力です。その間だけでも一つのことに集中してもらうことで、ちょっとしたリフレッシュする時間にもなるのではないでしょうか。

普段言葉では言えない事でも、あげる方のことを思い浮かべながら、思いを込めた字を描いた一枚をプレゼントしたり、ちょっとしたコツを持ち帰ってもらうことで講座のその先の生活でも使っていただけると思います。

己書で楽しく想いのままに文字を描いてみませんか?

まずは、こういった姉妹都市の食材を使ったメニューがあったり、ワークショップを開いたりできるお店が府中にあることを知ってもらうきっかけにしてもらいたいです。そして、己書を通しては、誰でも気軽にできる新感覚な書道を楽しみながら、ただ教える、教わるだけじゃなくて、参加してくれるみなさんとお話をして、楽しい時間にしたいと思っています。

己書を通してみなさんと新しい人とのつながりを作ってみませんか。

 

小林さん、津布久さん ありがとうございました!

今回のお二人への取材を通して、オレンジブーツの様々な人を受け入れてくれるような温かい雰囲気、また己書の想いを言葉にデザインする魅力を感じることが出来ました。府中市の中でも珍しい、府中市の食材だけでなく、姉妹都市の食材も楽しめる「オレンジブーツ」にぜひ足を運んでみてください。また、普段の書道とは少し違った「己書」に挑戦してみてはどうでしょうか。

【インタビュー・文】原田 成美(東京農工大学4年)
【写真】関谷昴

 


【店舗情報】

カフェ オレンジブーツ

住所:東京都府中市宮町1-100ル・シーニュ5F 府中市市民活動センター「プラッツ」内
TEL:042-319-9732
定休日:なし


【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「BASE.S CAFE & DINER FUCHU TERRACE」

※緊急事態宣言及びGOTO商店街事業一時停止延長に伴う国からの要請に従い、店舗内等で行うまちゼミについては中止となりました。
 Zoomを使ったオンラインまちゼミは予定通り実施いたします。
府中テラスさんの講座は中止となりました
【オンラインでの開講講座一覧はこちら】

このコラムは「第3回むさし府中まちゼミ」の講師となる方への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。
取材を行ったのは、府中に関わる学生を中心とした若者達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2020年12月の取材に基づき作成されました。


 

府中のまちの「つながりのかたち」

 

府中駅から徒歩3分ほど、目の前にある大國魂神社の荘厳な雰囲気とコントラストをなすように、とても柔らかな雰囲気のあるカフェが佇んでいます。こちらが今回紹介させていただく、「府中テラス」さん。

 

お店の外壁は全てガラス窓になっていて、外からでも中の様子や混雑状況もよくわかるので、今のようなご時世でも安心して入ることができます。テラス席もあるので、ソーシャルディスタンスもばっちりとることができるのがうれしいですね。

中に入ると、笑顔の店員さんと雰囲気のいいBGMがお迎えしてくれます。中にいるほかのお客さんはみな幸せそうな笑顔を浮かべていて、とてもゆったりした時間が流れています。

 

今回の取材では、食材にこだわっているこのお店の食品事業に関わっている、中野寿仁さんにお話を伺いました。

 

府中のまちの「つながりのかたち」のレモネード~一つのお店だけではつくれないもの

今回のまちゼミでは、食材にこだわること、府中に関わるものを加える、といった「うちのお店っぽいこと」をしたいと考えました。

そこで、お店で実際に出している、レモネードのシロップ作りをすることに決めました。このレモネードは単体で飲むだけではなく、家にある素材を使って手軽にアレンジレシピを楽しむことができます。これを機に、今よりもっと充実したおうち時間を過ごしていただけたらと思っています。

水やお湯でアレンジするのもいいのですが、うちのお店では、このレモネードをアイスティーで割ったものをお出ししています。実はこのとき使われている紅茶は、府中の紅茶の専門店の「サンタマリア」さんから提供していただいています。先日からはサンタマリアさん独自ブレンドの紅茶の茶葉販売を店頭でも始めました。このような形で府中の街の情報発信もしているので、それも知っていっていただけたらと思っています。なぜ「こだわりの食材」を選ぶのか___社会問題と会社の歩み

私たちは元々ITを主軸にしていた企業で、店向けのPOSレジなどを扱っていました。その事業の中で、よりお店の気持ちを知り、導入してもらいやすいようにと考えて、自分たちで飲食店を開くことに。海の家や唐揚げ店などを開店してきました。

お店の経営をしていく中で農家の方と実際にお会いする機会があり、農家の方がある問題を抱えていることを知りました。

それは、野菜を作っていくうえで、規定を満たさないため市場に出せない作物があったり、とれる数量が多いと廃棄になったりしてしまっている、「食品ロス」についてです。これは農家だけに限った話ではなく、精肉などの他のジャンルの生産者の方も抱える問題でした。例えば、部位によって市場価値が異なり、1頭から取れる部位ごとに出荷量の偏りが出てしまうことで行き場のない部位がでてしまう、といった現状があることです。

このようなことは、非常にもったいないことだと思いますよね。しかし、そういった商品をどのようなルートで売ったらいいのかわからない。実際問題、農家の方は普段の業務で手一杯で、新しい流通ルートを開拓するような余裕がありませんでした。

そこで、もっと農家の方の作ったものを多くの人食べてほしいと思い、うちの会社で取引を始めました

この事業をしてよかったことは、どのような人がこの食材を作ったのか、どのような人がこの食材を使っているのか、両方の「顔が見える」ようになったことです。うちはお店側、生産側どちらの気持ちもわかるので、どちらも納得した食材の取引ができます。

食材を使う側からすれば、どんな人が、どんな思いでこの食材を作ったのかという物語がわかることで、新たな料理のインスピレーションにつながることがあります。

逆に食材を作る側からすれば、自分の作ったものが、どんな料理に変身したのかを知ることで、食材を作るモチベーションにつながることがあります。

こうした事業で学んだことを活かし、府中テラスでも生産者の方のお顔が見える食材にこだわっています。

飲食事業は府中だけでなく他県でも展開しているので、お店では多くの場所で作られた食材を使っています。もちろん、府中で作られた食材も使うのですが、府中の人が他の地域の食材を知る場としても、この店を利用していただければいいなと思っています。

 

さらに、今後の食品ロス削減の取り組みとしては、「Jimono」さんという、地元で育った野菜を農家さんから直接仕入れている会社と協力し、「Jimono」さんで扱っている野菜をこの府中テラスで店頭販売していく予定です。

府中テラスでは日替わりランチをやっているので、もし、「これは明日になったらお客さんに買ってもらえないだろうな」という野菜が出てきてしまったときは、その中のメニューに入れることで、無駄になる野菜を少しでも減らすことができると考えています。

「府中」に根付くお店___「つながり」が希薄になった時代だけれど

お店で出すものとしては、産地にこだわったもの、ということを重視しているのですが、府中テラスの方針としては、特に「人とのつながり」を大事にしています。先ほどお話したような、生産者の方とのつながりはもちろんなのですが、府中の人とのつながりというのも大切にしているものの一つです。

今回のまちゼミのレモネードもそうなのですが、うちは府中の他のお店に協力してもらって出しているものがいくつかあります。

お店で出しているケーキも、実は府中の老舗洋菓子屋さんの、「モナムール清風堂」さんに、うちのお店のために作ってもらっているものなんです。

以前、うちのお店でケーキを作って出してみよう、という案が出たのですが、クリームなどは特に繊細なものなので、作るのが困難でした。そこで、うちで作るのが無理なのであれば、専門の方に頼むのが一番だろうということになったんです。

 

また、お店で使っている府中で作られた野菜は、府中の青果店の、「Jimono」さんのところで仕入れています。府中で作られた野菜を使いたい、と思っても、府中の農家の方たちと直接つながるのは大変なことなので、もう既に府中の農家さんと信頼関係を築いている「Jimono」さんから買うことで、府中の農家さんとつながることができています。

一つのお店で全てのことをやっていこうとすると、中途半端なものになってしまうんですよね。全てのものについて極めるということは難しいので、あくまでもお互いにメリットが生まれるような形で、他のお店に協力してもらうことで、お客さんに安らぎを与えることのできる空間を提供することができていければと考えています。

まちゼミに向けて

おうちでも簡単に作って飲んで楽しめるという講座を考えているので、こういった状況ですがおうち時間を楽しめるようなものをまちゼミを通してふやせたらいいです。特にお子さまと一緒に楽しんで作れることができるのでぜひお越しください。

 

今回の取材で、「人とのつながり」を大事にしながら、「食品ロス」という大きな問題に立ち向かう府中テラスさんの道程をお聞きすることができました。その問題に気づき、取り組み始めることも、きっとIT企業という別の顔を持つこの会社だからできたことなのだと感じました。そんな他のカフェとは一味違った「府中テラス」さんに、皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか?

【インタビュー・文】井上真歩(山梨県立大学看護学部1年)
【写真】関谷昴


【店舗情報】

BASE.S CAFE & DINER FUCHU TERRACE

住所:府中市宮西町2-2-12
TEL:042-407-2675
定休日:なし


【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「ロシアレストランペーチカ」

※緊急事態宣言及びGOTO商店街事業一時停止延長に伴う国からの要請に従い、店舗内等で行うまちゼミについては中止となりました。
 Zoomを使ったオンラインまちゼミは予定通り実施いたします。
ペーチカさんの講座は、中止となりました
【オンラインでの開講講座一覧はこちら】

このコラムは「第3回むさし府中まちゼミ」の講師となる方への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。
取材を行ったのは、府中に関わる学生を中心とした若者達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2020年12月の取材に基づき作成されました。


 

府中駅東口から徒歩4分ほど、Y字路に建つマンションの2階に、ロシアレストランペーチカは佇んでいます。店内に入ると、特徴的な白木の家具の温かな空間が私を出迎えてくれました。通常レストランに入るときには少し緊張してしまうのですが、ペーチカさんには、逆に体の緊張がほっとほぐれるような、そんな温かさがあります。

店内には、絵や雑貨があふれており、入ってすぐの場所にはピアノもおいてありました。まるで家のような温かな空間にはどんな秘密があるのか、オーナーにお話を伺ってきました。

 

「暖炉のような温かさを」

 

ペーチカとはロシア語で「暖炉」という意味です。暖炉といってもロシアの暖炉は独特で、暖炉の上で寝たりもします。パンを焼くようなかまどがあって、その上の少し暖かい場所に布団をしいて寝ることもできます。寒いロシアでは、暖炉は身近で、様々な温かさの象徴です。そのような「様々な温かさ」を提供できるお店にしたいという思いを込めて店名をつけました。

レストランを開業したきっかけは、私自身が延べ22年、5回にわたるロシア駐在で経験したロシアの人たちとの深いつきあいから、食を通したロシアへの正しい理解を広めたいという強い思いでした。

食は、人の心を開き、あらゆる物事に対して人をオープンにしてくれるものです。お客様に食で心を開いていただき、ロシアそのものについての理解を深めていただく場になればと願っています。ロシアは遠い異国の地ではなく、私たちと気心の通じる人たちが沢山いる隣国だ、そういう風にみなさまに感じていただける場所にできれば幸いです。

 

芸術の交流の場として

ここにおいてある雑貨は私(オーナー)の私物です。ロシア人の友達から送別の品としてもらったものや、自分で買って集めたものです。ロシアの伝統工芸品や美しい絵など、食事と一緒に楽しんでいただきたいと思います。

 

また、食だけではなく、様々な芸術の交流の場にしてほしい。そんな想いで、絵も飾っています。いまは、縁のあるイラストレーターの絵本の原画を展示しています。ロシア料理を食べに来た人がイラストを見てくれたり、イラストレーターのファンの方がロシア料理を知ってくれたり…という相乗効果があるといいなと思っています。作家さんの雑貨も販売しているので、ペーチカでこのイラストレーターさんのファンになった方が購入してくださると素敵だなと。この取り組みは初めてなので、ある程度の期間展示させていただいたら、他の方の絵も展示させていただきたいですね。

 

またペーチカは、音楽の憩いの場としての役割も持っています。ピアニストの方がライブをしてくださることが決まっていますし、私自身、月に1回、金曜日の夕刻にギターの師匠と共にミニコンサートを開催しています。

音楽もまた、ロシアを知る上で重要なものです。日本でも有名な「100万本のバラ」や「つる」を歌うと、そのロシア音楽特有の哀愁を直に伝えることができます。それも、「正しくロシアを理解する」「ロシアを身近に感じること」の一歩だと考えています。

ロシアを身近に感じるこだわり

ロシアの木材の輸入の経験から、ロシアの木の温かみを皆様に味わっていただきたいと考え、イルクーツクから輸入している赤松を新潟から特別に送ってもらい、店のインテリアとして使いました。赤松は白い色と独特の香りで、日本でも人気のある木材です。日本でこんなに赤松を店舗に使っているところはないと思いますよ。ペーチカの「温かさ」の秘密の1つですね。

「ホンモノ」にこだわっている、というのもペーチカの特徴です。

日本ではピロシキは揚げパンだと思われていたり、ボルシチはトマトスープみたいなものだという認識があったりするようですが、本場の味はどういったものなのかを常に提示できるレストランでありたいと考えています。ペーチカのボルシチやピロシキは自分がロシアで味わってきた味だけでなく、ロシア人の意見も聞き、書籍でも確認しながら常に「ホンモノ」のおいしさをアップデートしています。ボルシチの上にのせるスメタナ(サワークリーム)も店で作り、本場の味に近づけています。

ロシア人のお客様に率直に感想を求めることもあります。「このボルシチはどうですか?ロシアっぽいですか?」と。そうすると「お世辞ではなく、ロシアで食べたものよりおいしい」と言ってくださることもあり、その瞬間はとても幸せな気持ちになれます。

お客様に向けたメッセージ

ペーチカはロシア料理のレストランですが、音楽を聴く憩いの場、絵画を楽しむ場、朗読会…など、お客様にいろいろな形で使っていただきたいと考えています。「こういう形で使いたい!」「ライブがしたい!」「ロシア料理を食べながら人と交流を深めたい!」など、ご要望があれば、できる限りお応えしたいと思っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

ロシアと日本をつなぐまちゼミ

ペーチカが提供するまちゼミは、日ロ関係の歴史について、ロシアンティーを味わいながら学んでいただくというメニューになっています。ロシアは日本の隣国なのですが、日本人にとってロシアは、韓国や台湾といった国よりも距離があるように感じられます。現地で長年にわたり暮らしてきた私から見ると、極東のロシア人達は特に、隣国の中で日本を最も好ましく、憧れさえ持ってくれています。この点は、現地で彼らと交流してみないとなかなか理解できないことです。私は、このロシア人の思いを皆様に伝えることが自分の役目であると考えています。ここペーチカで、ロシアに対する正しい理解を深めていただきたいと思っています。

 

去年もおかげさまでたくさんの方に来店していただきました。このご時世でなければ今年ももっとおよびしたいのですが、それができないのが悔しいです。

でも、こんな時だからこそ、おいしい料理は人の心を豊かにしてくれると、私たちは信じています。

【インタビュー・文】尾崎成美(東京外国語大学4年)
【写真】西田衣里(東京外国語大学院1年)

 


【店舗情報】

ロシアレストランペーチカ

住所:府中市府中町2-6-1 プラウドセントラル2F
TEL:042-368-8830
定休日:土日祝日


【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「天地米店×はらぺこりん」

※緊急事態宣言及びGOTO商店街事業一時停止延長に伴う国からの要請に従い、店舗内等で行うまちゼミについては中止となりました。
 Zoomを使ったオンラインまちゼミは予定通り実施いたします。
天地米店さんの講座は、17番『「ご飯」少しの知識でさらに美味しく!』のオンラインまちぜみが開講されます。(はらぺこりんとの共同講座は中止となりました)
【オンラインでの開講講座一覧はこちら】

このコラムは「第3回むさし府中まちゼミ」の講師となる方への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。取材を行ったのは、府中に関わる学生を中心とした若者達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2020年12月の取材に基づき作成されました。


 

府中駅南口から徒歩3分、宮町中央通りに面した所に、「天地米店」さんがあります。

店内に入ると、大事そうに並べられた種々の米袋の奥に、店主の小澤量さんと、和食キッチンカー「はらぺこりん」の米谷さんと斎藤さんも。

三人のこれまでの経験や考えてきたこと、1月に開催されるまちゼミの話などをお聞きしてきました。

左から斎藤さん、小澤さん、米谷さん

「はらぺこりん」米谷さん

私は管理栄養士で、大学卒業後病院で働いたあと、学校給食とか保育園で食育とかに関わっていました。食を通して何かをやりたい気持ちがすごくあったので会社員じゃなくて、自分で何かやれたらと思ってキッチンカーを始めました。元々米が大好きで、米と合うおかずが和食なので、和食のキッチンカーです。一番好きなお米は「金のいぶき」。本当においしいです!便秘もなくなり、肌つやもよくなるんです。

 

「はらぺこりん」斎藤さん

金のいぶきは、普通の玄米と全然違います。食べた時にびっくり、次の日トイレに行ってびっくりします(笑)腸内環境も良くなって、免疫力も上がる。実は僕、一番長くやっていたのは塾講師で。やりたいことがよく分からなくなった時期がありました。気分も沈むし、体調も悪くなっちゃったんですよ。そこでミネラルファスティングという、三日間くらいドリンクだけ飲んで、体の中の悪いものをデトックスし、その後に良いものを入れると体調が良くなるっていうのをしたんです。その良いものが「まごわやさしい」(後述)の食事でした。3年くらい前に糖質制限をして体重15kgくらい落とした時は、その食事をやめたら13kgくらい戻っちゃったことがありました。でもファスティング後に「まごわやさしい」の食事を始めたらこの半年で12kgくらい落ちました。健康的なものを食べてるなって実感できるし、お腹がすくことはないし、何よりお金がかからないから無理なく続けられる。僕はそこから「まごわやさしい」に意識が向きましたね。これをキッチンカーで売ったら面白いんじゃないかと思って僕たちは2020年の11月からキッチンカーを始めました。

 

「天地米店」店主小澤さん

大正13年に始めて僕は三代目。今や米(の商売)はなくなりつつある業種だけど、生産者さんに恵まれて、直取引の気に入った米を気に入ったやり方で売っています。今回はたまたまはらぺこりんさんが飛び込んできてくださって、今回一緒に講座をやろうとなったわけです。早速、講座のことを話したいんだけど、その前に、皆さん米30キロ担いだことある?

コツはテンポよく肩まで一気に上げていくことだそうです。記者は膝の上までしか上げられませんでした。

お米の食べ比べと、「まごわやさしい」食材を使ったおにぎり作り

 

(小澤さん)
今回やるのは、天地米店とはらぺこりんさんとの共同の講座なんですが、実は前からこういうことをやりたいと思っていたんですよ。

店の中だけでやるんじゃなくて、実際に食を提供している方と何かやりたかった。この店の中だと狭いしね。これまでは4種類のお米を出すのが精一杯で、それを小さいお皿で食べてもらうっていうのを2年やっていました。
でも今度はル・シーニュを使えることになったので、最大7台炊飯器が使える。食べられるお米の種類も増えます。

 

楽しそうに、真剣に語ってくださるはらぺこりんのお二人。食事だけでなくお二人のバランスも絶妙です。

 

(はらぺこりん)
「まごわやさしい」って何か知ってますか?
まめ、ごま、わかめ、やさい、さかな、しいたけ、いもの頭文字です。これらは、昔から日本で採れて食べられてきたもので、食べ続けるとより健康になります。そして、ご飯にとても合います。

「健康」にはいろんな切り口がありますよね。例えば、太りにくいものとか。小さい子どもがいる親御さんだったらアレルギーを気にされます。
「まごわやさしい」の食材にはそういう心配が少ないんです。卵とか肉とか、消化に負担にならないものが多いです。グルテンフリーとか、ギルティフリーとか、そういうものも「まごわやさしい」食事を取ると叶えられてしまうんですね。

 

今回のまちゼミは小学生のご家庭を対象にしているので、コロナ禍だけれど対策をした上で、おにぎりを親子で作ったらとっても楽しいのかなと思い、おにぎりを作ります。
中には「まごわやさしい」の材料で作った具も入れて。具のメニューは、簡単にできるかつおいしいものを考えています。キッチンカーで出しているような、人参を味噌で炒めたものとか。最後はみんなで試食し、家でも作っていただけるようレシピをお渡しします。おにぎりは忙しい朝でもチンしながら出かける準備できますし、続けやすいと思います。やっぱり、体にいいことでも、続かないと体は良くなりません。習慣にしやすいものは簡単にできるもの。「まごわやさしい」の食事は、簡単にできます。

それにしても、個人的にはお米の食べ比べがすごく楽しみです。普通できないじゃないですか。

 

(小澤さん)
そうですね、特別な場所じゃないと、炊飯器を同時にたくさん使うとブレーカーが落ちてしまいますから。
食べ比べで面白いのは、目隠しして食べてみると意外と皆さん好みがバラバラだったりすることです。例えば、粘るお米が好きという人がいても食べ比べして選んだのは一番あっさりしたものだったりする。そうして実は自分の好みが分かっていないことに気づくこともあります。
あとは、お米って一期一会で、二度とそのお米は食べられないんですよ。いつもの種類のお米っていうのは同じコンセプトはあります。でも作る場所、作る人で違う。細かいことを言うと、田んぼごとに違うし、田んぼの中でも実は違う。一番最初に出た穂と、最後の穂でも違います。だから、お米の味がこの前と違うっていうのは当たり前。そこを愉しめると良いですね。

 

(はらぺこりん)
そう、キッチンカーでお米を炊くと、「あれ今日柔らかい!」みたいなことがあるんですよ(笑)一瞬焦るけど、でも結局はそれも美味しいです。

 

世間ではお米が雑に扱われている?

お店に貼ってある表「お米代とご飯の原価」。こうして見てみるとお米は経済的ですね。

(小澤さん)
でも正直、お米ってどんなにご立派なお店でも雑に扱われているのが現実です。まず選び方。値段しか見られないことが多いです。
お米は、あまりクレームを受けない食材なんですよね。ネットでも「お米がまずい」ってレビューを書く人はあまりいません。メインディッシュや肉・魚料理など調理したものは、ピンポイントで批判が出るんですけど、横に付いていたご飯がまずくてもあんまり書かれない。
なので、店からすると、評価が得られないから(お米の格は)下げても良いということになってしまうんですね。

でも実は、お米はコスパが良いんです。年間を通じて価格の変動も少ないですし。例えば、ご飯一膳は20〜40円くらい。
これを他の食材に置き換えてみると、そのコスパの良さがすごくよく分かります。米だと、20円のものを30円にしたときに、値段以上の違いが出ます。他の食材だと、10円かけたからと言って劇的に変わることはまずないですよ。

 

 

お米屋さんから見た府中のまちの変化

大正13年創業の天地米店。古い府中の風景が想像されます。

(小澤さん)
日本全国だけど、昔は勝手口があって、お留守でも開いてるから入って、米櫃が空だと詰めてきちゃう。そういうサザエさん的な世界が当たり前だった。けれど今はマンションが多いから、そういうことはできないですね。ネットで注文、カード決済の配達ボックス、という形が増えている。

あとは、そんな風に家におばあちゃんがいる時代まではね、おばあちゃんは米がないときを知ってる人たちだから、多少あっても米を置いてけって言う。それが今、テレビで鮮度だなんだって言ってるのを見てる人たちは米がなくなってから買います。そうなると、パニックになった時はもう遅い。1993年の米不足のときも、うちにたくさんお客さんが並びました。
震災の時が一番ひどかったなぁ。毎晩、夜なべで精米してましたね。だから言ってるんです、「一週間分くらいは持っておきましょう」って。一週間分の米と味噌と、コンロとボンベ、そして水さえあれば人間は生きていけますから。米と味噌で必須アミノ酸は摂れる、味噌が自然塩を使っていたらミネラルも摂れますしね。

 

お米を食べることと日本の自然環境の関係

お米の生産者と消費者の間に立つ小澤さん。日々考えていることを語っていただきました。

(小澤さん)
「水と緑と土」っていうキーワードは聞いたことがありますか?富山和子さんっていう方が発表したコンセプトです。『川は生きている』『道は生きている』『森は生きている』『お米は生きている』という四部作のシリーズ、小さいときに皆さんも読んでいるかもしれません。日本の歴史における川と道と森とお米を、サイコロの面のようにどこから見るかが違うだけで、全部同じことが書いてある。日本の国土ができていく歴史の中で、実にお米と緑とが一体になっているかが分かります。

だから、お金さえあればお米が買えるから日本で米を作らなくて良いではないかと言い出すと、用水が要らなくなることになる。農業用水は、川の細かい支流みたいなもので、そういうものが一切なくなると、山に降りた水は、山に木がなく農業用水もなければ全部川に入っていって海に流れていきます。大雨の時のあの状況が常にあるようなイメージ。
逆に、なんで雨が降らなくても川が流れている?それは森が蓄えてるからです。それが、森がなくなると鉄砲水のように流れてしまいます。寡水と洪水が交互に起こるような世界ですね。それを防いでいるのが、森であり農業用水なんです。
日本では、農業用水は農家が作って管理していますから、お米は外国から買えば国内では作らなくて良いという訳にはいきません。そのように、食べることというのは実は広い視野で考えると自分のためだけではなくて、環境のため、地球のためで、その公共性が最終的に自分に返ってくるという風に考えられると良いかもしれないですね。

 

 

まちゼミ参加を考えてくださっている方にメッセージ

 (はらぺこりん)
やっぱり、体の健康があって全てが始まりますよね。今回の講座では、お金と時間をかけすぎず楽をして健康になるために、美味しいお米と「まごわやさしい」のおかずを始めてみませんかと提案できればと思っています。

でも「まごわやさしい」を推しすぎちゃうと、近寄り難くなってしまうかもしれないので、シンプルに「ご飯って美味しいんだ」と子どもたちが気づいて、食べ続けて健康に生きていって欲しいです。親御さんにとっても、子どもがご飯を好きになって、簡単なおかずでも「おいしいおいしい」と食べてくれれば良いですよね。そういう好循環が生まれると嬉しいです。

 

(小澤さん)
それに尽きますね。知識ももちろん大事なんですが、基本うまくないものは人間受けつけないですから。義務感とか、そういうのではストレスになってしまう。「美味しい」が大事です。違う品種のお米に変えた時、「これ違うね」って、子どもは気づいたけど旦那は気づかない、ということもよく聞くんですよね。そうして食卓の会話のネタにもなります。作る方も、手抜きじゃないけれど「まごわやさしい」のコンセプトをうまく使って、楽に、健康に、楽しい食卓を作ってほしい。この講座がその一助になればと思っています。

【インタビュー・文】森麻里永(東京外国語大学4年)
【写真】徳梅元気

 


【店舗情報】

天地米店

住所:府中市宮町1-34-14 デュオ府中101
TEL:042-361-2511
定休日:日曜日

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【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「HOLIDAY府中」

※緊急事態宣言及びGOTO商店街事業一時停止延長に伴う国からの要請に従い、店舗内等で行うまちゼミについては中止となりました。
 Zoomを使ったオンラインまちゼミは予定通り実施いたします。
HOLIDAYさんの講座は、16番「食医から見るファストフードと理想の食事」のオンラインまちゼミが開講されます。
【オンラインでの開講講座一覧はこちら】

 

このコラムは「第3回むさし府中まちゼミ」の講師となる方への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。取材を行ったのは、府中に関わる学生を中心とした若者達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2020年12月の取材に基づき作成されました。


食医を体現するHolidayシェフが今伝えたい、ファストフードの危険性とあるべき食事の姿

府中駅北口からほど近く、住宅街にひっそりたたずむHolidayでは、「人の心と身体に生きるエネルギーを与える食」をテーマに、オーナーシェフである桑原 伸悦さん自ら6時間かけて仕入れた食材で、ジビエや創作料理を提供しています。

また、人と食を支えるため、産地の地域振興や、コロナ禍で苦しむ方々の支援など多くの活動にも取り組んでいる桑原さん。2021年の街ゼミでは、ファストフードに警鐘を鳴らし、本来あるべき食事に関する講座を予定しています。

ここでは、桑原さんのご経歴と食に対するこだわりをご紹介します。

 

Holidayにたどり着くまで──「料理の道」から「人と料理の道」へ

僕は今39歳ですが、料理を始めたのは15歳の時なので、もう24年目ですね。
一応高校にも通いましたが、高校1年生の時に論文で全国4位になり、「大学には行けるから、出席だけ取れ」と先生に言われて、馬鹿らしくなっちゃったんです。そこで、勉強は辞めました。

これから何をしようか考えたときに、ふとロサンゼルスでサーフィンしようと思い立ったんです。親に勘当されながらも、アメリカに行きました。
しかし、到着した空港でスリに遭い、所持金がほとんどゼロに。死ぬかと思いましたね。偶然、お寿司屋さんがあったので、「働かせてください」と頼み込みました。当然「ふざけんな」と言われましたが、話しているうちに、ご主人と出身が同じだと判明したんです。お給料はもらえませんが、三食と光熱費とアパートを貸してくれて、住み込みで働き始めました。
もちろんサーフィンもして、3年間滞在しました。

 

その後は、一度日本に帰国。寿司を学び、再び渡米して永住権を取るつもりでした。

しかし、銀座のホテルで洋食担当になって、まったく変わってしまいました。料理に目覚めたんです。厳しい先輩の下で悔しい想いを重ねて、どうにか味を覚えようと試行錯誤しました。
先輩が捨てた食材をゴミ箱や洗い場から拾いだして食べて、味を覚えていましたね。学ぶのが楽しくなっちゃったんです。

表参道、銀座で働いた後、フランスのパリ、スペインのバスク、ビルバオへ勉強しに行きました。
帰国後は、お店のコンサルタント、メニュー開発、出張料理などをしていました。

 

そんな中、東日本大震災が発生。
僕は岩手で震災の被害に遭った友人と一緒にアワビ生産の再起を図ろうとしていましたが、その友人と死別します。そのときは、もう料理を辞めようと思いました。

しかし、今までお世話になってきた人や周りの人を考えて、もう一度やろうと決めたのが転機です。
それまでは綺麗な料理を追求していましたが、大切なものを失ったことで、幸せってなんだろう?人への思い遣りってなんだろう?と、食を通して考え直しました。
そこで僕は、美味しさを追求した食材を仕入れるよりも、素朴だけど人が生きるエネルギーになる食事を形成することを選びました。その想いを胸に、Holidayを構えたのが4年前になります。

食材に徹することは、人に徹すること──Holidayは“ラボ”であり、食の発信地である

Holidayは“ラボ”です。
それを府中でオープンした理由は、3つあります。
一つ目が、神社の存在。毎日お参りに行っています。でも、「お祈り」は辞めました。代わりに毎日、全力で生きることができてありがとうと言いに行くようにしています。ちなみに、大國魂神社はまじない、医療、食を民衆に伝えた経緯があるそうです。なので、自分が食を伝えるのにもふさわしいかなと。
二つ目が、僕は人が多いところが苦手なので、けやき並木など自然が多いとリフレッシュできるからです。
三つ目が、東京農工大学。先生たちの研究データを使用させてもらっています。特に、野生動物研究の第一人者である梶 光一先生とは、「自然肉のあるべき活用法」を一緒に議論し、皆さんに美味しく食べてもらえるよう努力しています。
また、現代における農業をしっかりと学ぶことで、何が大切か、何をどう伝えるべきかをじっくり考えられるんです。「食の研究」ですね。だから、“ラボ”なんです。

 

Holidayでは、まずメニューが日によって変わります。
畑に行って、仕入れられなかったら出せませんから。仕入れは業者を通さず、必ず直で。魚は近江町に電話して仕入れますし、野菜はあきる野市、奥多摩町、檜原村などに自分で行きます。仕入れだけで6時間はかかりますね。それを週に3回。

その日に獲れた食材には生命力があります。段ボールに詰めて冷蔵庫で保存した野菜は、果たして細胞レベルで元気でしょうか?僕は、山の養分と川の養分を受けるために、基本は自分で行ける範囲から手に入れます。
味は正直、甘みが少なく、素朴です。素朴で人に感動を与えるのは難しいですが、身体はその違いを分かります。

食材に対して徹底的にこだわるのは、もともとフランスで星を狙っていた経験からです。

星付きレストランで、冷凍食品や輸入品は絶対に使いません。目の前の人に良くしたいと思うように、お客さんに良いものを食べてもらいたいと考えるからです。
良いもの=高いものではありません。僕は、“食医”に徹して体に良いものを提供しようと思っています。つまり、細胞レベルで生命力があるものです。たとえば、なるべく化学肥料や農薬を使わない野菜ですね。普段から仕込みもしません。切った瞬間から酸化してしまうので、袋も切りません。そして、野菜を切った瞬間には、「この子の水分はこれくらいだ。ということは、先週雨が降ったんだ」と思い、触った瞬間には「このトマトはきっと甘いから、こうやって切ろう」と考えながら料理します。食材に徹することは、人に徹することなんです。

 

リラックスできる内装で、和気あいあいとトークできる場を提供したうえで、こういった料理がある、これが僕の店です。
○○料理というジャンルでは括れません。食に関する発信が重要なので、料理でまとめられなくなってしまいました(笑)
ただ、生産者はみんな知っているので、すべてにバックストーリーがあります。
僕は調理という作業ではなく、料理という芸術で、そのすべてを表現しているのです。
その結果として、テーブルが華やぎ、また来たいと思ってもらえたらいいなと考えています。

食を守るためにできることは全力で──お弁当作りからジビエ加工のサポートまで

現在はHolidayの他に、石川県白山で小学校だったところに障がい者施設と老人ホームを設立し、障がい者の方に野草茶やソーセージを作ってもらって、僕が東京で販売しています。

地域の方も応援してくれて、地域全体が活性化しています。また、岩手で唯一のジビエ加工施設のサポートもしています。最近では、病院にお弁当を出しています。朝5時に仕込み始めて、11時くらいに運び、帰ってきたらディナーの準備に入る日々です。
また、子育てしている方の助けとなる冷凍のスープも作っています。素材にこだわりつつ、忙しくてもすぐ食べられるものを心掛けています。冷凍できるものは配送サービスしていく予定です。

持続可能なことをするのは簡単なことではありません。
僕は思い付くのが得意なので、とにかくそのアイデアは形にしていますが、最終的にどんな形になるかはわかりません。いつか芽が出ればいいかなと思いながらやっています。

今後については、継続以外考えてないですね。白山でジビエを支えてくれている人がいなかったら、今の自分はいないので、彼らを支えます。梶 光一先生にはご教示いただいている分、ハンター育成の学校を作ったり流通経路の確保をサポートしたりしています。
みんながファストフードを食べて、病院でもらった薬を飲み、農家さんは野菜が売れないから土地を売ってしまう──こういった世界になったら終わりだと思うんです。そうならないように頑張っている人たちとつながっていきたいと思います。
食べ物に魅力を感じて、食べ物の仕事をしているので、それを守るために今僕ができることを全力でしていきます。

ラボの研究発表として、まちゼミで伝えるファストフードの危険性と今すべき食事方法

まちゼミも僕にできることの一つだと思っています。チャレンジですね。お客さんと向き合うために、僕自身も勉強しますし。互いに成長できる点が良いと思っています。

今回のまちゼミで僕が伝えたいのは、ファストフードの危険性と今すべき食事方法です。
ファストフードが流行りすぎて人間の身体が退化してしまい、良い状態に戻れなくなっています。

というのも、ファストフードの味になれてしまうと、脳がマヒしてしまいます。
舌で感じたものを脳が認識して成り立つ味覚が、過敏に味付けされた食によって狂ってしまい、美味しいと感じられなくなるのです。
たとえば、よくある牛丼は、海外の安い肉に死んだ牛の骨の粉などをまぶして煮ることで、牛肉の味になっています。この添加物が恐ろしいんです。
さらに、ファストフードやコンビニの食事では咀嚼も少なくなります。会話もなく一人でスマホを見ながら食べるのも間違いです。しかし、今はこういった早くて安くて美味しい食が求められています。僕はここにアプローチしたいと思っています。

本来、食事は会話をしながらゆっくりと味わい、楽しむ、そして記憶に残るものです。
感動のない食事の回数を重ねるよりも、一回の食事に感動し、それをキープする方が大切なんです。さらに食事は、人格と人体を作ります。だから、僕は食に向き合っています。

まちゼミには初回から参加していますが、今年はオンラインと店舗で行います。
まちゼミのおかげでお客さんが劇的に増えることはありません。
それでも、来てくださった方が食料自給率の低さなどに意識が高まり、生産者さんの助けにつながればと思っています。

 

 

【インタビュー・文】島津明日香(東京外国語大学4年)
【写真】徳梅元気

 


【店舗情報】

HOLIDAY

住所:〒183-0055 府中町1-27-1 パークロード107号
TEL:042-403-1231
定休日:月曜日

 


【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「@yoga life Fuchu」

このコラムは「第2回むさし府中まちゼミ」の講座と講師となる店主への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。取材を行ったのは、東京農工大学のまちづくりを研究するサークル「まちけん」の学生達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2019年7月の取材に基づき作成されました。
この回の記事の作成者:東京農工大学修士1年上木康太郎


地域に密着したヨガスタジオ@yoga life Fuchu

府中駅から徒歩3分、府中駅東口商店街の真っ赤な「庚申様」と書かれた看板をくぐると、おしゃれな新しいマンションが目に入ってくる。その2階に常温のヨガスタジオ、@yoga life Fuchuはある。利用者の9割が府中市民であり、インストラクターも府中の方が多く、地域に密着したスタジオになっている。そんな@yoga life Fuchuの第2回「むさし府中まちゼミ」の様子を取材し、インストラクターでお店をプロデュースした松本莉緒さんにお話を伺った。

 

@yoga life Fuchuのむさし府中まちゼミ

まちゼミの講座「身体が固い人でも楽しめる!はじめてのヨガ」は、自然を取り込んだこだわりのスタジオで開催された。インストラクターである松本莉緒さんから@yoga life Fuchuについての説明があり、ヨガの入門編のレッスンが始まった。

「人間の思考は身体にあらわれます。良いことを心と頭でイメージすればそれが行動になり後に身体内部外部まで影響していきます。心身共に健康に働きかけていくのがヨガです。」

ヨガとは自分との対話を促すもので、それをサポートするため松本さんは丁寧に一人ひとりにアドバイスをしていた。

 

いくつかの呼吸やポーズを行った後、次の言葉でレッスンは幕を閉じた。

「また皆さんと一緒に呼吸し、身体を動かして、幸せなヨガライフを過ごせることを願い祈っています。」

まちゼミのレッスンが終わった後は、ヨガ中のリラックスした雰囲気とは打って変わって、松本さんと参加者はもちろんのこと、まちゼミ参加者同士の活発なコミュニケーションが取られた。

 

参加者からは、「まちゼミというイベント形式だから参加しやすかったです。先生から一人一人に声をかけていただけたのが良かったです。」や「普段からヨガをしていますが、ここは空間が素敵で、インストラクターの雰囲気作りが上手で楽しい気分になりました。」という感想が出た。

 

松本莉緒さんへのインタビュー

 

―@yoga life Fuchuの理念について教えてください。

「人生の中にヨガを取り入れることで、衣食住のベースを底上げし、生活に対しての意識や周りの人間関係への距離感も変わりストレスが薄まります。毎日呼吸するのと同じように、ヨガも自然に取り組んでもらいたいです。」というのが@yoga life Fuchuの名前の理念であり想いです。「yoga life」というのがそのまま「ヨガの人生」、「人生の中にヨガがある」という意味なので、私のヨガに対する想いにリンクしています。@yoga lifeにはもともと1店舗目が南青山にあり、その2店舗目として府中にオープンしました。

 

 

―ロゴにはどんな想いが込められているのでしょうか?

府中のスタジオだけで使われているロゴの中心には女性のシルエットが描かれています。瞑想している女性の下に敷いてあるのは、蓮の花の座布団です。蓮の花は知識という意味があり、そこから、「自分と知識をつなぐ」ということを表しています。また、それらを囲んでいる円はオーラに見えたり、月に見えたり、太陽に見えたりいろいろな見方ができ、自分を取り巻く自然を表しています。そして、「自分と知識と自然が一体となるスタジオ」を表したくて、私がロゴをデザインしました。余談ですがこのロゴ中の女性のモデルは実は私です(笑)。

 

 

―スタジオを開いたきっかけについて教えてください。

このスタジオを開いたきっかけは、幼少期から住み青春を過ごした街、府中でヨガスタジオを開きたいという思いがあったからです。2015年にこの街の大使になったことをきっかけに実現したいという想いが高まりました。「もっと府中の方に美容と健康を伝えて、生き生きとした人生を送ってもらいたい」シンプルにその気持ちだけでしたね。そして、自分のヨガのインストラクターとしての経験がある程度積み重なってきたタイミングで、実行に踏み切ったという流れがありました。場所からスタジオのデザインからインストラクターキャスティングと全てに携わり、多くのスタッフの方々のお力添えの元、無事に@yoga life Fuchuをオープンすることができました。

 

 

―スタジオを見ると植物がたくさん飾られていますね。

このスタジオは、深い呼吸をしやすいかどうか、リラックスしやすいかどうかにこだわって作りました。自然の呼吸と一体になりやすくするために光・火・水・植物・土・風をスタジオに取り込みました。
窓を開けると風が通ります。生の植物が天井にあるのですが、生の植物が部屋の上部にあることで空気の循環を助けてくれます。スタジオの床は温水の床暖房になっています。水が流れていることで音の響きもいいのです。また夜はキャンドルの灯りを灯し瞑想しやすい空間にします。

ホッと出来る東京西エリアのオアシス、@yoga life Fuchu スタジオとしてこれからも皆さまから愛されるスタジオになりますようスタッフ一同頑張ります‼︎ ぜひ一度レッスンを受けにいらして下さい!

 

インタビューを終えて

現在はYoutubeなどを見て誰でもどこでもヨガが出来る時代。このスタジオにはこだわり抜いた空間デザインと丁寧なコミュニケーションを心がけるインストラクターがいます。だからこのスタジオに特別な体験を求めて多くの人がヨガをしに来るのだと感じました。

 

【インタビュー・文】(東京農工大学修士1年 上木康太郎 まちけん所属)

まちけんの活動はfacebookページをご覧ください。まちけんfacebookページ)


【店舗情報】

@yoga life Fuchu

住所:府中町2-6-1プラウド府中セントラル2階
Tel:042-306-8012
WEBサイト:https://yogalife.style/fuchu/
定休日:月曜日
受付時間:9:00~21:00


【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「割烹 阿吽(あうん)」

このコラムは「第2回むさし府中まちゼミ」の講座と講師となる店主への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。取材を行ったのは、東京農工大学のまちづくりを研究するサークル「まちけん」の学生達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2019年7月の取材に基づき作成されました。


住宅街に佇むモダンな割烹

大國魂神社近くの住宅街の中に、「割烹阿吽」は店を構える。府中駅から少し離れたところにあるため、落ち着いていて入りやすい雰囲気である。会社の接待に使われているのはもちろん、地元の方にも愛されているお店である。今回は、そんな割烹阿吽で開催された「むさし府中まちゼミ」を取材した。

今回取材したまちゼミのタイトルは「山岡料理長が教える『親子』の料理教室」。親子3組が集まったところで、まちゼミが始まった。今回の献立は、ポテトサラダ。小さなお子さんでも作りやすい身近な料理であるが、同時に基本の手順が必要な料理でもある。

 

説明はさっと終え、早速実践に入る。山岡料理長は、あまり料理をしたことのないお子さんにも、包丁の持ち方から優しく教えてくれる。「力で切らずに、刃を滑らせて切ろうね。」「ゆっくりでいいよ。」子どもの方からも質問しやすい雰囲気になる。「できたよ!」「次は何するの?」こんな声が絶えず聞こえてくる。

 

山岡料理長はお子さんに指導をしながら、お母さんへも声をかける。「『少々』と『一つまみ』の違いは何だと思いますか?」お母さん方が首をかしげる。「『一つまみ』が指二本分で、『少々』は三本です。実は少々の方が多いのですよ。」「へぇ、そうなんだ。」驚きの声が挙がった。普段から料理をする大人であっても、料理について学ぶことは多い。料理の豆知識に耳を傾けるうちに、次第に山岡料理長のトークに引き込まれていく。

 

お子さん、お母さん、山岡料理長の双方で自然に会話が弾み、あっという間に一時間が過ぎた。無事にポテトサラダも完成し、親子での写真撮影の時間となった。「おなか減った~」「早く食べたい。」と話すお子さんには、笑顔が見える。試食タイムになっても、会話は続く。「おいしい?」「今度はお母さんの手伝いをしてあげてね。」

 

まちゼミ終了後、参加した小学生の兄弟に話を聞くことができた。「今日はどうだった?」と聞いてみると、二人とも声を揃えて「楽しかった!」と話してくれた。兄弟それぞれ、作ることと食べることが楽しかったそうで、笑いながら帰っていった。

 

講師の山岡料理長へのインタビュー

―「割烹阿吽」にはどういった由来や思いがあるのですか?

オーナーが「割烹阿吽」をオープンする前に立ち上げた会社が、オフィスAZ株式会社と言います。“A”と“Z”はアルファベットの最初と最後の文字で、ひらがなで考えてみると最初と最後の文字は「あ」と「ん」になり、そこから「あうん」を思いつきました。この「あうん」には、「阿吽の呼吸」という願いが込められています。従業員同士が空気を読んで「阿吽の呼吸」でお客様を迎え満足して頂くこと、そして、従業員とお客様の間での「阿吽の呼吸」で料理を提供することが大事だと考えています。

 

―どうして府中で「割烹阿吽」を始めたのですか?

元々は株式会社AZの社長さんと、私と古い付き合いがありました。その方が、ずっと「お店をやりたい」と考えられていて、店となる場所も見つかったということで、お店を始めました。府中でお店を始めたのは、オーナーが府中出身だからです。友人や知り合いの多いところで店を始めた方が、全く知らないところで始めるよりも、「地の利」を活かすことができるため、周囲の方に早く知って頂けると考えたからです。

 

―「割烹阿吽」のこだわりを教えて下さい。

こだわりとしては、料理において手抜きをしないこと、手間をかけること、心を込めて料理をお作りすることです。これらのこだわりをもって、提供させて頂き、お客様に喜んで頂きたいと考えています。素材についても手抜きはせず、養殖の魚は一切使いません。

 

―今回まちゼミを実施した思いを教えて下さい。

まちゼミで親子教室をやっていますが、実はお子さんよりも親御さんに料理を教えたいと考えて実施しています。子どもの頃からあまり料理の手伝いをしないため、大人になっても料理が苦手な方もいらっしゃいます。親御さんに料理をお教えして、それを家に持って帰って子どもに教えてもらうことが理想です。今回のまちゼミをきっかけに、家族の中でも話されて広まっていけばと考えています。正直まちゼミの1時間でお子さんに料理して頂くのには、時間が足りません。そのため、ジャガイモを前もって茹でるなど、事前に準備が必要となります。準備をしたせめてもの償いとして、素材の説明についてもしっかり行っています。

 

―最後に、お客さんへ向けたメッセージをお願いします。

予約がとりづらい、敷居が高いというイメージがあるかもしれません。コースだけでなく単品のアラカルトメニューも揃えていますので、そんなお高いということはありません。来られたお客様には、誠心誠意をもって料理をお出しします。注文が入ってからお作りしますので、お時間はかかりますが、その分満足頂ける料理をお出しします。ぜひ時間にゆとりを持ってお越し下さい。

 

【インタビュー・文】田島 玲(東京農工大学3年まちけん所属)

まちけんの活動はfacebookページをご覧ください。まちけんfacebookページ)


【店舗情報】

割烹阿吽

住所:〒183-0023 東京都府中市宮町二丁目22-18
TEL:042-306-5003
WEBサイト:https://kappo-aun.jp/
定休日:月曜日
営業時間:昼12:00~15:00/夜17:00~23:00


【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「サクレクールデンタル」

このコラムは「第2回むさし府中まちゼミ」の講座と講師となる店主への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。取材を行ったのは、東京農工大学のまちづくりを研究するサークル「まちけん」の学生達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2019年7月の取材に基づき作成されました。
この回の記事の作成者:東京農工大学大学院修士1年 仕田原 奈穂


痛くなくても来たくなる歯医者さん

府中駅北口から徒歩3分、新しいお店が並ぶ一角にある歯科者さんが今回紹介する“サクレクールデンタル”。誰もが「ここ歯医者なの!?」と思うほどおしゃれな雰囲気で、思わずのぞいてしまう。見た目だけでなく、治療方針にもこだわりがあり、「痛くなくても来たくなる、ワクワクするようなサロン型クリニック」をコンセプトに、美しさも機能性も考慮した審美治療を行っているのが特徴だ。

 

サクレクールデンタルのまちゼミの講座は、フルーツティーとお菓子をお供にスタート。院長のキンズマン惠子先生から、「お口元のアンチエイジング」をテーマに歯と美しさの関係についての話があり、質問と笑い声が絶えない、本当のお茶会のような時間が流れる。

続いては、毎週月曜に顔ツボマッサージを行っている田中桂子先生による、家でもできる顔ツボマッサージ講座とマッサージ施術。マッサージを受けた方から「幸せな時間でした」という声が上がるほど、大好評だった。

最後は、普段は聞きにくい歯の治療についてキンズマンさんやまちゼミの参加者同士でざっくばらんな座談会に。みなさん、来たときよりもステキな笑顔で帰っていった。

 

インタビュー

―“サクレクールデンタル”と言う名前にはどういう思いが込められているのでしょうか?

“サクレクール”というのはフランス語で、「聖なる心」という意味です。歯医者さんらしからぬ名前なのですが、女性も男性も、お子さんも、おばあちゃんも、おじいいちゃんもきれいにしてさしあげたいという気持ちがあって、“サクレクール=聖なる心”で皆さんを治療するという意味を込めています。それに、この医院の前だけ庭のようになっているので、フランス語で“庭”という意味の“ジャルダン”も合わせて、みなさんに“聖なる心の庭”に集まっていただけたらなと思っています。

 

―どうして審美治療を中心とした歯科者さんを始めようと思ったのですか?

昔から何かを俯瞰してみるのがすごく好きだったのですよね。そのことは歯の治療でも同じで、1本の歯だけを治すのが歯医者さんなのかどうかという思いがありました。また、若いときに師事していた先生も、噛めるといった機能性を持ち、かつ審美的な歯ってどういうものなのかという問いかけをする先生でした。そういった経験から、「歯が痛いから」や「歯石がついたから」という理由で治療するのももちろん歯医者さんですけど、いやちょっと待てよと、「食べて話せて笑えて、その上きれいな歯にしたいな」と思う歯医者さんがいても良いのではないかと思ったのです。

 

―確かに他の歯科者さんとは全然雰囲気も違いますよね。

そうですね、歯医者さんっぽくないって思ってもらうのが大事です。私の中では、歯医者さんであることの裏をいくので。他の歯医者さんが1人に対して時間を20~30分しかかけないなら、私は最低でも1時間はかけるし、デンタルチェアーがずらっと並んだ歯医者さんをやるなら私は個室をやろうと。音やにおい、座る椅子のクオリティも、ほんと歯医者さんの真逆をいきたいという風に思っています。もちろん治療内容は同じなのかもしれないけれど、1日5〜6人しか見られなくても、保険診療自費診療問わず1人1時間半かけて、たくさん話します。患者さんの人となりもすごくわかってきて、お互いも分かり合えます。やっぱり審美歯科って何十万もかける人がいるので、その時に「大金がかったけど、やってよかったな」と思ってもらえなかったら、ほんと二度と戻ってきてもらえないので信頼関係は大切にしています。

 

―特に大事にしているこだわりはありますか?

患者様の満足度と患者様がここでどれだけ自分が特別に扱われているか感じていただけるか、ということです。施術の前にみなさんにアロマを選んでもらい、タオルにつけるのですが、「こういうことされたことがなくて、本当にここに来るたびにワクワクするわ」と言っていただいて、特別感やワクワク感を感じてらっしゃいます。私としては、多くの人に「ここ歯医者さんなの?」と言われれば言われるほど「よしっ!」と思います(笑)それとお顔全体を見て、その人その人の歯の形や長さ、色などをまるで絵を描く感じで治していくことです。

 

―まちゼミの感想をお聞かせください。

今回のまちゼミの話をいただくまで歯医者でゼミをするなんて思ってもみませんでした。とても楽しかったですね、お客様の反応もすごくよかったですし。講座場所も程よく狭くて、外も見えて開放感があったのが良かったです。

 

―最後にお客さんに対するメッセージをお願いします!

“痛くなくても来たくなる歯医者さん”で治療してみてほしいです。何歳になっても自分の歯で噛める、話すという機能面、笑うという心理面を考慮しながら治療を行います。トータルケアをしていますので、ぜひファーストクラスの歯科医院で保険治療を受けて来ていただけたらと思います。

 

今回取材を行い、まちゼミの講座やキンズマン先生のお話、お店の雰囲気、すべてからこだわりを感じることができた。これもすべて、患者様を第一に考えた結果から生まれたものである。歯が痛くなったら、いや歯が痛くなくても一度行ってみてはどうか。

【インタビュー・文】仕田原 奈穂(東京農工大学大学院修士1年 まちけん所属)

まちけんの活動はfacebookページをご覧ください。まちけんfacebookページ)


【店舗情報】

サクレクールデンタル

住所:府中町2-6-1 プラウド府中セントラル1階
TEL:042-403-9511
WEBサイト:https://www.sacre-c-dental.com/
定休日:水曜日・日曜日・祝日
営業時間:10:00〜13:00・14:00〜18:30


【まちゼミ特集】府中に息づくお店探訪「なおらいスタンド宮」

このコラムは「第2回むさし府中まちゼミ」の講座と講師となる店主への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。取材を行ったのは、東京農工大学のまちづくりを研究するサークル「まちけん」の学生達。若者の視点で府中のまちなかが見えてきます。
※この記事は2019年7月の取材に基づき作成されました。
この回の記事の作成者
東京農工大学3年 八代 岳人


府中駅から徒歩5分ほどのところに明るい雰囲気を醸し出す光が大國魂神社横の路地を優しく照らしている。女性でも入りやすいおしゃれな立ち飲み屋「なおらいスタンド宮」は、お酒への専門知識をもつオーナーと、お酒にあう料理を提供するマスター・スタッフのサービスが、地元の人達から愛されているお店だ。「なおらいスタンド宮」のオーナーで「第2回むさし府中まちゼミ」の講座を実施した大室 元(おおむろ はじめ)さんにお話を伺った。

日本酒の飲み比べ体験

今回取材したまちゼミのタイトルは「はじめての日本酒レッスン!」だ。参加者にはタイプの異なる日本酒が4種類と、テイスティンググラスとぐい飲みの二種類の酒器が用意されていた。

「日本酒ってなんだろう?」「吟醸って?」オーナーの大室さんは、このようなまちゼミ参加者の疑問にどんどん答えながら、日本酒の魅力を楽しそうに語っていた。日本酒は味と香りで4種類に分かれる。各参加者は味・香り・色・粘度を総合的に判断し手元の日本酒を4タイプ分類していった。この試飲クイズでは、言葉や文字だけの知識伝達だけはなく、実際に4種を呑んで味・匂い・色からも多様な日本酒の世界を「まちゼミ」では無料で体感できた。さらに、酒器によっても香りの感じ方や口当たりが異なり、日本酒のもつ味の深さを体感しつつ、立ち飲みならではのお客さんとの距離感で自然と参加者との会話も弾んだ。参加者からは「お話を聞いてからクイズを実践できて良かった」「テキストを使いながら飲みたい」の感想もあがりとても満足そうであった。


〇インタビュー

聞きなじみある店に

―お店の名前の由来を教えてください。

20年ちょっと前まで「立ち飲み宮」という名前の店がありました。私がお店を始めるにあたって、その名前を復活させました。「宮」という名前は、お隣に大國魂神社というお宮がありますし、お店の住所も宮町ですので地元の方々に聞きなれている言葉なのが良いと思いました。また、「直会(なおらい)」は、神事が終わった後にお供えした食べ物や飲み物を下げて、それをみんなで一緒にいただく会のことを言い、いわば宴会の原型みたいなものです。神社参拝した帰りに気軽に立ち寄ってもらいたいという想いから、店の名前を「なおらいスタンド宮」にしました。

地元に根付く商売を

―なぜ府中でお店を始めたのでしょうか?

私の家は、元々江戸末期から続く「しめのうち」という屋号で代々酒屋を営んでいました。しかし、私がちょうど大学を卒業し就職したことで、後継ぎがいなくなってしまいました。そこで、8年前に府中に帰ってきて、「しめのうち」という屋号を継ぐと共に、元々酒屋の倉庫だった所を改装して飲食店を始めました。私は生まれた場所が府中で育ちも府中だったので、地元でしっかり商売したいなっていうのが動機の一つです。

お酒にかかわる人みんなに幸せになってほしい

―お客さんに対して日本酒をどう感じてもらいたいでしょうか?

流行りのお酒や有名なお酒を取り揃える店は結構多いのですが、それは日本酒の入口としては良いのだけれども、もっと日本酒の世界は幅広くて奥深いので、知れば知るほど美味しいお酒に出会えることを知ってもらいたいです。

東京は市場が大きく様々なお酒が売られていますが、東京に販路がないねっていう酒蔵も結構あります。高齢化が進み地元地域の過疎化が進むと、「もう自分の代でおしまいかな」なんて言う酒蔵もあります。それはもったいないし残念です。私はこの店を「宮っていうお店に行ったら自分の知らない美味しいお酒が飲めるんだ」と言われるような、お客さんとお酒との出会いの場、日本酒の情報発信の場にしたいのです。お酒を造る人も、お酒を飲む人も、お酒を提供する人も、関わる人みんなが幸せになるといいですよね。

 

―まちゼミをやってみた感想はいかがでしょうか?

まちゼミに参加することにとても意味があるなと感じています。
普段だったら世間話くらいの会話はしますけど、料理とお酒を提供するのがメインなのでお客さんとお話をする機会になる「まちゼミ」はすごく貴重だと思っています。
またこのようにインタビューしてもらったことで、農工大の学生さんとの繋がりができたので、私もまた農工大に遊びに行きますし、また新しいコミュニティができたことも良く思いますね。農工大は食に関わっていて、街の中心にあり、若さのパワーがある学校。このような大学がお店のすぐ近くにあり、社会人の人と関われるコミュニティを作れ、コミュニティを作るきっかけになる「まちゼミ」の取材の企画はとても良いものと感じました。

―お客さんへメッセージをお願いします

提供するお酒や料理などのサービスを通してみなさんに楽しんでいただくのが、店の存在意義だと思います。当店はお酒の知識豊富な者が選ぶ「お酒」とお酒にあう「お料理」を提供できるマスター・スタッフがいるお店です。気軽に立ち寄れる立ち飲みスタイルで、一人前食べきりサイズの小皿料理で出しています。新鮮な府中野菜をふんだんに使っていますので、野菜が足りていないな、と思う方も是非お越しください。まずは実際に来ていただくのが良いのかと思いますので、お待ちしております(笑)

【インタビュー・文】八代 岳人(東京農工大学3年 まちけん所属)

まちけんの活動はfacebookページをご覧ください。まちけんfacebookページ)


なおらいスタンド宮

【店舗情報】
東京府中の日本酒立ち飲み屋『なおらいスタンド宮』
住所:東京都府中市宮町2-3-8
TEL:042-306-9030
WEBサイト:https://naorai-stand-miya.jp/
定休日:火曜日
営業時間:月-金 16:00-23:00/土日祝15:00-22:00


事業者向けミニセミナー「第1回まちゼミ勉強会」

テーマ「商店からまちを面白くする~まちゼミ仲間とできること~」

記念すべき勉強会の第1回は「まちゼミ」できた仲間を通して様々なプロジェクトを商店街で実施している尾山台の高野雄太さんをお迎えします!府中のまちゼミの今後の展開をみんなで探りましょう!


三方よし!の「得する街のゼミナール(通称:まちゼミ)」は、あなたのお店と新しいお客様をつなぐチャンスです!

府中駅周辺で2回開催された「むさし府中まちゼミ」は次回2020年7月開催予定。「次回参加してみようかな」「話だけでも聞いてみようかな」と思われる商店や事業者の皆様、この機会に参加してみませんか?すでに実施してきた府中の事業者さんの声もきけます!
(前回のむさし府中まちゼミの様子はこちら

勉強会の後は、まちゼミ実施事業者さんのお店で懇親会を開催します。今回は第1回からまちゼミを開催してきたセカンドファクトリーさんの大國魂神社前の新店舗FUCHU TERRACEで実施します。


ゲスト:高野 雄太氏

プロフィール
尾山台まちゼミ実行委員長
尾山台商栄会商店街振興組合理事
尾山台4商店街連合会事務局
(一社)おやまちプロジェクト代表理事


日 時:2020年1月27日(月)18時30分~19時30分(受付18時〜)
会 場:ル・シーニュ6階 プラッツ 和室(府中市宮町1-100)
対 象:府中市内事業者(むさし府中まちゼミは府中駅周辺事業者を対象としていますが、本勉強会はまちゼミにご興味のある事業者の方はどなたでもご参加いただけます。)
参加費:勉強会500円(懇親会は別会場で会費3,500円、勉強会のみ可)
申込み:事前申し込み制、定員20名、先着順。下記WEBサイトの申し込みフォームで、まちづくり府中宛てにお申し込みください。(申込みフォームはこちら

締  切:2020年1月20日(月) ※定員になり次第締め切り。
お問い合わせ:(一社)まちづくり府中 TEL: 042-370-1960 (平日のみ)


“まちゼミ”とは?

「まちゼミ」は、お店のスタッフが講師となり、プロならではの専門的な知識と情報,コツを受講者(=お客様)にお伝えする少人数制のゼミです。地域の方々に、お店の存在や特長を知っていただくとともに、お店(=店主)のファン創りを勧め個店と地域の活性化を行います。