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【まちバル特集】府中に息づくお店探訪「ホテルコンチネンタル府中 カフェ&バー コルト」

このコラムでは、2022年に開催を予定している「第2回むさし府中まちバル」の実施店舗への取材を通して、府中に息づくお店を紹介します。
今回は、府中市内にある東京外国語大学との連携企画として、東京外国語大学の学生取材班の皆さんに取材をしていただきました。
※この記事は2021年9月の取材に基づき作成されました。

京王線府中駅から徒歩1分、ホテルコンチネンタル府中の1階にある、「カフェ&バー コルト」。店内はカジュアルな雰囲気で、ホテルの宿泊客のみならず、地域の人もくつろぐ場所です。この日も、平日の朝から、新聞を読む人や、ゆっくりお茶を楽しんでいる人など、様々なお客さんがそれぞれの時間を過ごしていました。「お客さんのリビングの延長線になるような場所にしたいんですよ」と話すのは、支配人の大住さん。空間への思いや、提供している料理へのこだわりを伺いました。

「ホテルの本質」こだわり抜いた食材と料理

ホテルコンチネンタル府中にある、「レストラン東北牧場」、「レストラン フィリー」、そして「カフェ&バー コルト」では、青森県の東北牧場で採れた食材を使用した料理を提供しています。もともとサラブレッドの生産・育成をしているこの牧場では、馬糞や敷草から生産される自家製堆肥を野菜の栽培に使用し、化学肥料や農薬を一切使用しない、完全循環農業を実現しています。無農薬・無化学肥料で生産された、安心・安全な食材を使った料理を提供していることは、ホテルの強いこだわりです。「自社の牧場を持っているホテルというのは、都市型ではまずないと思うんですね。牧場を持っていて、そこで育てた、本当に安心・安全の野菜を送って、それをお客様に提供できるということが、ホテルコンチネンタル府中の大きな特徴です」。(大住さん)

野草を使ったメニューも、ホテルコンチネンタル府中”らしさ”の一つ。畑に一切農薬を使わない東北牧場で自生している野草は、安心・安全な食材として、ゼリーやシフォンケーキといったデザート、お茶、そのほかにも様々な料理で楽しむことができます。美容や健康に良い様々な効能があり、古くから万能薬としても使われてきた野草は、最近、「和ハーブ」としても注目を浴びています。30年あまり循環型農業を行ってきた、東北牧場を持つレストランだからこそ、「見慣れているものに改めて焦点を当てて、新たな価値を発信できたら」という思いで、野草のメニューを提供しているそうです。

東北牧場と、料理を食べるお客さんをつなぐ「顔の役割」が、ホテルコンチネンタル府中にはある、と大住さん。「ここで食べたら間違いないよっていう、それがやっぱりホテルとしての本質というか、絶対に譲っちゃいけないポイントだと思う」。だからこそ、料理に関しては、和洋中、それぞれの料理長たちと頻繁にミーティングを重ね、時間をかけて徹底的に磨き上げているといいます。食材と料理へのこだわりは、これからも、さらに伸ばしていきたいホテルの色の一つです。

新たに洋食の料理長を務める、ネパール出身のアリャール・メガナット氏による「アリさんの東北牧場野菜カレー」は、そんなホテルの食材と料理へのこだわりが詰まった一品。薬味まで東北牧場の食材を楽しむことができます。東北牧場の野菜のみを使い、肉を一切使用していないため、重たくなく、サラサラと食べられる、ホテル一押しの新メニューです。

「競馬のまち」のホテルならではの馬とのつながり

「コルト」と、同じくホテル館内にあるレストラン「フィリー」の店名は、どちらも若い牡馬、牝馬を指す英単語が由来。お店の窓にも、それぞれ馬が歩く絵が描かれています。食材を仕入れている東北牧場が、大正時代からサラブレッドの生産・育成を行っていること、そして、東京競馬場がホテルからほど近い場所にあることなどから、「府中と馬のつながり」もお店の特徴として謳ってきました。

それが一つの形として結びついたのが、昨年12月から今年の1月にかけて行われた、馬名募集です。東北牧場で生まれた、競走馬4頭の名前を一般公募したところ、新聞やテレビで取り上げられ、大きな話題を呼びました。東北牧場とコンチネンタル府中とのつながりを、お客さんや競馬関係者により広く知ってもらうきっかけになったといいます。

もともと、レースがある土日祝日は、店内の大型スクリーンで競馬中継を流すなど、「競馬のまち」のホテルならではのサービスも提供していましたが、今年の6月には2日間、「馬ガール・馬ボーイ」という、競馬ファン向けのイベントを開催。盛況のうちに終わりました。このイベントでは、ホテル自慢の料理と、以前からコルトの名物であった、競走馬をイメージした「競馬カクテル」が提供されました。カクテルはイベントに向けて、18種類用意したのですが、メニューにない馬の名前のカクテルを注文するお客さんも多かったそう。もともと、競馬関係の仕事をしていたこともあるバーテンダーの竹下さんは、馬の毛色や、騎手の勝負服などからイメージして、アドリブでオリジナルカクテルを提供したといいます。

競馬をモチーフにしたアニメ作品がヒットするなど、年齢や性別を問わず、競馬ファンが増えている近年。今後も、若い人も気軽に来れるようなイベントやメニューを考えるとともに、レースを見た帰りに、「コルトで一杯飲んで帰ろう」というようなお客さんも迎えたい、と大住さんは話します。

「府中の一員」として、地域に寄り添った空間に

現在「コルト」は、カフェ&バーとして、モーニングや簡単な軽食、デザートを中心に提供していますが、今後は、オールデーダイニングとして、洋食のグランドメニューも提供する予定です。「いろんな顔を持ったコルトにしていきたい」と話す大住さん。コーヒーを一杯飲んで休憩したり、デザートを食べながらゆっくり打合せしたりといった、従来のカフェ&バーとしての側面はもちろん、本格的な洋食料理も楽しめる空間へと進化していきます。

大住さんは、コンチネンタル府中の今後を、「府中に寄り添った、府中の一員としてあるべきだと思う」と話します。ホテルと聞くと、敷居が高いというイメージを抱きがちですが、家のリビングの延長線のように、「ちょっとそこでお茶飲んでいこうよ」ぐらいの感覚で使ってもらえるような場所を目指しているそうです。また、レストランだけでなく、宴会場といった空間があるのも、ホテルの強み。例えば、学生のワークショップの開催場所としてなど、「我々がお手伝いできることがあったらお手伝いしたいなって。気軽に使ってもらえるっていうのをもっと謳っていきたい」と話すように、地域に密着したホテルの在り方を描いています。

府中のまちに根差し、こだわりの詰まった料理を提供し続けてきた、ホテルコンチネンタル府中。今後はより色んな顔を持って、地域の人々をいつでも暖かく迎え入れてくれる空間になるのではないでしょうか。

【インタビュー・文】田村 夢夏(東京外国語大学4年)

【写真】関谷昴


【店舗情報】

ホテルコンチネンタル府中 カフェ&バー コルト

住所:〒183-0055 東京都府中市府中町5丁目1丁目5−1 ホテルコンチネンタル本館 1F
電話番号:042-333-7113
https://www.hotel-continental.co.jp/restaurant/cafe_colt/keiba_cocktail.php

公開日:2021.11.10 / 最終更新日:2024.3.24

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