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府中に息づくお店探訪「ジュエリーイシイ」in フォーリス

人との絆を結ぶジュエリーを届けたいー「ジュエリーイシイ」が繋ぐ想いー

府中駅横の「フォーリス」を2階に上がると、キラキラ輝くアクセサリーと北欧風デザインの壁紙が明るく出迎えてくれます。今回ご紹介させていただく「ジュエリーイシイ」さんは、68年前に府中で創業されて以来、親子3世代にわたって受け継がれてきた歴史あるジュエリーショップです。3代目店主の石井さんに、ジュエリーが持つ永遠の力、そしてお店のあゆみとこれからについて伺いました。

世代を超えて続くお店の歴史

「ジュエリーイシイ」は元々時計店でしたが、メガネ、そして宝石と、時代とともに形を変えて府中の地に根付いてきました。私は元々ものづくりや装飾品に興味はあったのですが、実はお店を継ごうとは思っていませんでした。でもやっぱり、地元で長く続く、父や祖父が守ってきた会社を私の代で終わらせてしまうのはもったいないと感じたんです。お店につながっているお客様の存在もあったので、何か地域に貢献できることができれば、という思いで引き継ぐことにしました。それが15年ほど前になります。

ジュエリーが持つ永遠の価値

ジュエリーは、赤ちゃんにつけるベビーリングもありますし、当店では90代のお客様に購入していただく事もあり、まさに生まれてから死ぬまで身近にあるといえます。デザインにあまり流行りがないため、親子代々受け継いで使うことも多くあります。ジュエリーは貰ったり買ったりした時の気持ちが褪せないまま、想いをずっとそばに置いておける存在でもあるんです。

せっかく貰ったけれど自分に合わないから使わない、というのももったいないので、ぜひ長く使い続けられるようお手伝いさせてもらいたいと思っています。ジュエリーイシイでは、リペアやジュエリーのリフォームも請け負っていて、サイズやデザインの変更も可能です。壊れたりサイズが合わなくなってしまったお品物、他店で購入されたものも受け付けていますので、気軽にご相談いただきたいです。

暮らしを彩るジュエリー

ジュエリーは高価なものというイメージを持たれがちですが、お店では1,000円台のものから販売しています。

特別な日につける贅沢な宝飾品ももちろん素敵ですが、普段使いできるファストファッションとしてのアイテムもバランスよく使っていただいて、生活を豊かにしてもらえたらいいなと思っています。ジュエリーをつけることで、その日の気分も相手に与える印象も変えることができますから、ぜひ変化を楽しんで欲しいです。

「モノ」から「ストーリー」へ。変化し続ける仕事観

私自身、長年店長をする中で仕事への心境が変わってきました。最初の頃、ジュエリーは販売するための商品であると認識していたのですが、今ではそれぞれに「ストーリー」という付加価値がついているものだと思うようになりました。デザインや綺麗さだけではなく、そのジュエリーの裏側にどのような物語があり、その物語がお客様にとってどんな意味を持つのかを考えるようになったんです。いまこのお店では人から人へと想いを繋げるものや、お客様にこの商品の価値を伝えたいな、と思うものをセレクトして販売しています。

実際に、ジュエリーを仕入れる時には常連様の顔が浮かんできて、「あの方が気に入ってくれそうなデザインだな」と思って選んでくることもあります。すると大体当たってるんです。これは、長く地元でお店をやってきて、府中の皆さんとずっとお付き合いしてきたからこそわかることだと思っています。

3代目店主が目標に掲げる、将来在りたい姿とは

今後の展望として、「ジュエリーイシイ」を100年企業にすることを目指しています!

近年は結婚指輪を買わない方が増えてきていたりと、残念ながらジュエリーの需要は年々減ってきています。だからこそ、お店としてはジュエリーの良さをこれからも伝えていきたいですね。一生使えるものですし、人生の大事な思い出を込めることが出来るジュエリーを広めていきたいと思っています。

また、先ほどお伝えしたようにリペアも行っているので、娘さんやお孫さんに受け継ぎ、3世代が繋がるようなお手伝いができたらいいな、と思っています。将来、「おばあちゃんがここで買ったジュエリーです」とお店に持ってきたときに、なおしてあげられる場所であり続けられたら嬉しいです。

実は、私は元々ジュエリーが好きだったからお店を継いだのではありません。だからこそより知りたいし、この仕事を続けていきたいと思っています。現在はデザインや歴史に興味があるので、最近では美術館に行くなどして勉強もしています。これからも感性をアップデートし続けて、知れば知るほど奥が深いジュエリーの世界を楽しみながら、お店を続けていきたいです。

~筆者コメント~

今回の取材を通じ、ジュエリーは流行りに左右されにくく、永遠の価値を持ち続ける、真にサステナブルな存在であると感じました。実際、私自身も祖母と母から指輪やネックレスを貰い受けて使っています。それらには“単なるアクセサリー“というだけではなく「受け継いだ」という価値が上乗せされているのだと、お話を伺いながら改めて実感しました。そして、ジュエリー=人との絆を感じられる存在、という考え方も新鮮な気づきになりました!
これからはより、世代を超えた繋がりに感謝しながら大切にジュエリーを使っていき、私も次の世代へ受け継いでいきたいと思います。
みなさんもこれを機に、引き出しの中に眠るジュエリーにそっと手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。今はまだ、という方もいつか時が来た時に、ジュエリーの世界に足を踏み出せることを願っています。
この記事がみなさんにとって、大切な人との「絆」や世代を跨いだ「繋がり」が生まれるきっかけになれたら嬉しいです。

 

(文:宇田川あみ 東京外国語大学学生)

(写真:本間美実子 東京農工大学学生)

 

公開日:2023.10.16 / 最終更新日:2024.3.24

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