お店&施設情報
SPIRIT lives in Fuchu「特別養護老人ホーム 鳳仙寮」

一人ひとりを尊重する暮らしを、まちと歩みながら叶える
西府駅から徒歩7分、武蔵府中熊野神社古墳の近くに、まもなく開所25年を迎える特別養護老人ホーム「鳳仙寮」があります。当時、この敷地にたくさん咲いていたホウセンカに由来する施設です。入所やショートステイ、デイサービスなど5つのサービスを提供するほか、市から委託を受けた「地域包括支援センターにしふ」を併設しています。
今回は施設長の不動田敏幸さんに、施設のことや、まちとのつながりについて伺いました。
その人の思いに、寄り添う
不動田さんの前職は建築関係でした。高齢者施設を建てた際に「どんな人たちがここで暮らすのだろう」と気になり、介護の道に進みます。最初の施設勤務は、まだ介護保険制度が始まる前のことでした。
「そこでは、利用者の安全を守るために、日常生活にさまざまな制限がありました。施設の方針だと分かっていても、どこか違和感があったんです。そんなとき鳳仙寮を見学しました。みなさんが自分で車椅子を漕いだり、歩いたりしている。楽しそうだなと思い、働くことにしました」
そこから20年以上、不動田さんは鳳仙寮で利用者さんと向き合い続けています。
鳳仙寮は、一人ひとりの気持ちを大切にしています。日中の過ごし方ひとつにも、その考え方が表れています。「例えば『体操の日』でも、やる人とやらない人がいていいし、違うことをやってもいい。一人になりたい、誰にも見られたくないという時間もあります。でも、転倒のリスクがある方の場合、目の届かないところにいられると心配です。その点は折り合いをつけながら、できるだけ個を尊重しています」

利用者さんと職員、どちらの気持ちも大切にする
介護の現場で、食事、入浴、排泄は、日々の暮らしに欠かせない支援です。しかし不動田さんは、そこで終わらせないことを大切にしています。
「日常生活の介助はすごく大事ですが、慣れてくると、うまくこなせば仕事ができていると思えてしまいます。でもここは生活する場です。外出するなら体をきれいにしないと、と思うからお風呂に入る。何かをするための入浴です。その先がないと自己実現につながらないと思うんです」
それらの介助は、「その人が本当にやりたいこと」に近づくための時間だと考えています。鳳仙寮が大切にしたいのは、利用者さんだけではありません。
「見守る職員は忙しいですが、気持ちに余裕がなくなるとその状態が利用者さんにも伝わってしまいます。だからこそ、忙しいときほどお互いが落ち着ける時間が必要だと思っています」駐車場にキッチンカーを呼んだり、一緒に料理を作ったり。屋上から花火を眺める日もあります。職員も利用者も分け隔てなく楽しむそうです。

地域に支えられて
鳳仙寮に出入りするのは、利用者と職員だけではありません。「一番の特徴は、ボランティアのみなさんです。年間延べ700人以上の方が支えてくださっています。利用者さんの日々のサポートや会話はもちろん、ほうせん子ども食堂や書道などのイベント、リネン交換や洗濯物たたみのような間接業務まで、ご自身の得意なこと、できることで力を貸してくださいます」鳳仙寮を利用する人、働く人が笑顔で溢れているのは、この場所に集まる地域の人のおかげだと話す不動田さんの穏やかな表情が印象的でした。

併設の「地域包括支援センターにしふ」には、地域にお住まいの方を中心に、幅広く相談が寄せられます。介護保険の申請方法から「親が認知症かも」という漠然とした不安まで、内容はさまざまです。
「どうぞお気軽にお立ち寄りください。まずは私たちの様子を見ていただくことで、安心してご相談いただけると思います。子どもから高齢者まで、多くの方と出会えるこの場所を知ってもらえれば嬉しいです。介護予防講座や福祉まつりでも、ぜひお声がけください」
敷地内の桜や、地域の中学生が植えたみかんの木が育つ庭に、散歩に来ませんか?鳳仙寮は、今日もまちに扉を開いています。

住所:府中市西府町2-24-6
アクセス:JR南武線西府駅より徒歩8分
営業時間:8:30~17:30
TEL:042-360-1353
edit:佐藤 裕子
写真:横井 裕子
コーディネート:西武信用金庫府中支店
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